高砂熱学工業株式会社

高砂熱学工業が取り組む営業変革プロジェクトの歩みとこれから――戦略実行パートナーとして伴走支援

  • 建設・製造・運輸
  • 1,001人~
  • 社内トレーニング
  • 学習支援
  • 組織開発
高砂熱学工業株式会社

創業1923年

業界・業種空調設備・設備工事関連

従業員2,365名(2025年3月末 単体)

創業1923年、2023年に創立100周年を迎えた空調設備工事のパイオニア企業です。ビル・工場・施設などの空調設備の企画・設計・施工、メンテナンス、リニューアルなどのソリューションを幅広く提供。「環境クリエイター®」のビジョンのもと、脱炭素・サステナブル社会の実現に向けた技術・サービスの創出に取り組んでいます。 https://www.tte-net.com/index.html

創業100周年を迎え、空調設備のトップランナーとして業界を牽引する高砂熱学工業株式会社さま。現在、業績は極めて好調に推移していますが、その裏側では、未来を見据えた営業変革プロジェクトを推進しています。NTT ExCパートナー / NTT HumanEXは、長きにわたり同社の「戦略実行パートナー」として、営業プロセスの標準化からシステム実装のサポート、評価制度改革、人材育成プログラムの実行まで、組織の進化に伴走し続けてきました。このたびは、プロジェクト事務局の方々に、背景や成果、そして「環境クリエイター®」のビジョン実現に向けた今後の展望についてお話をうかがいました。

お話をうかがった方

  • 営業本部 営業統括部
    環境営業推進室 担当部長 兼 研究開発本部 カーボンニュートラル事業開発部 CN営業推進室 室長
    山口 俊亮 さま
  • 営業本部 営業統括部
    環境営業推進室 兼 営業企画室 シニアクリエイト
    畠山 一朗 さま
  • 営業本部 営業統括部
    環境営業推進室 兼 研究開発本部 カーボンニュートラル事業開発部 CN営業推進室 担当課長
    佐瀨 善治 さま

本事例のポイント

個人営業から組織営業への転換


営業ノウハウを言語化し、チーム全体で顧客と信頼関係を深める営業プロセスを構築しました。

仕組み化・人材育成・成果測定のサイクルを支援


マニュアル化、CRM実装、評価制度との連携により戦略を現場の行動まで落とし込みました。

長期にわたる継続的パートナーシップ


企業文化を深く理解した伴走型支援で次世代に向けた営業力を着実に強化しています。

【背景と課題】

変化に対応できる営業力の必要性を感じて

――業績が好調に推移している中、高砂熱学工業さまは、なぜ営業変革や人材育成に注力してきたのでしょうか。

山口さま 高砂熱学工業は100年の歴史を持つ会社ですが、建設業の営業スタイルはその時代ごとに変化します。私が営業を始めた30年前と現在とでは、ツールも環境もまったく異なります。昔ながらのやり方を続けていては、時代に乗り遅れてしまうという危機感がありました。
特に現在は、ありがたいことに、お客様から多くのご依頼をいただける環境にあります。しかし、だからこそ若手が「自ら仕事を取りに行く苦労」を知らずに育ってしまうリスクがあります。将来、景気が後退した時でも揺るがない「本物の営業力」を今のうちに備え、次世代に向けた足腰を鍛える必要があると考えたのです。好調な今だからこそ、変えるべきところを変え、次世代に向けた足腰を鍛える必要があると考えました。

――営業の組織について、具体的にはどのような課題を感じていましたか。

山口さま かつては、お客さまの中に決裁権を持つ方がおり、その方とつながっている「個人の力」で仕事が決まるケースが多くありました。しかし現在はコンプライアンスも強化され、お客さまの意思決定プロセスも複雑化しています。一人の担当者の力だけでは情報は取れませんし、組織全体にアプローチすることもできません。
そのため、役員、管理職、担当者がそれぞれの階層でお客さまとつながり、面でアプローチする「組織営業」への転換が不可欠でした。しかし、当初は営業のマニュアルなども存在せず、ベテラン社員の頭の中にあるノウハウは属人化していました。それをNTT ExCパートナー/NTT HumanEX(以下、NTT ExCパートナーグループ)の力を借りて、当時の若手課長クラスが集まり、模造紙に付箋を貼って議論しながら、一つひとつ「勝ちパターン」を言語化していったのがはじまりです。

【プロジェクトの変遷】

市場縮小を見据え、自社の強みを整理

――プロジェクト開始当初は、将来のどのような市場変化を見据えて議論をされていたのでしょうか。

畠山さま プロジェクトが始まった当時の経営層は「将来的に国内建設市場は縮小していく」と予測していました。また、異業種の空調設備事業への参入による競争激化も見据え、「今のうちに自社の強みを再整理し、営業力を強化しなければならない」という議論がされていました。

――長期間のプロジェクトにおいて、フェーズごとにどのような変化がありましたか?

畠山さま まずは、マニュアル作成の前段階として「個人のノウハウの言語化」からはじめました。当社は技術の会社ですが、技術部門には標準化された教育体系があるのに対し、営業部門はOJTに頼る部分が大きく、上司によって教え方にばらつきがあるという課題があったからです。
その後、作成したマニュアルやプロセスを定着させるために、CRMシステムへの実装を行いました。ここでは、現場の実態とシステムが乖離しないよう、NTT ExCパートナーグループに要件定義の段階から入ってもらい、業務とITの橋渡しをしてもらいました。
そして現在は、人事評価制度とも連動させ、「個人の営業」から「チームで動く組織営業」への変革をめざすフェーズに入っています。特に大きな転換点だったのは、目の前の工事を受注する「案件獲得型の営業活動」だけでなく、顧客の事業に寄り添い続ける「関係構築型の営業活動」という概念を明確に定義したことです。
この概念を「りんごの木」に例え、仕事がない時でも、お客さまの事業という「実」を育てるお手伝いをする意識の定着を図りました。そうした「顧客との信頼関係の深さを測る指標」を独自に策定し、評価に組み込んだことが、現場の意識変革につながっています。

【具体的な取組み】

戦略実行パートナーとしての伴走支援

NTT ExCパートナーグループは、長年にわたり高砂熱学工業さまの営業変革の戦略立案サポートと実行支援、それに対応する人材育成プログラムの提供を行ってまいりました。また、実行後には、定期的に成果を分析し、その後の活動に活かすサイクルを確立しています。未来の変化やリスクを見据えた提案と、戦略を着実な実行につなげる伴走支援が特長です。

【選定の決め手】

想像を超える提案力と企業文化への深い理解

――NTT ExCパートナー / NTT HumanEXをパートナーとして選ぶ「決め手」は何ですか。

山口さま 一番の決め手は、「私たちの想像を超える提案をしてくれること」です。 社内では、このような改革プロジェクトの進行も「営業本部で内製すればいいのではないか」という声もありました。 
しかし、私たちには実務のノウハウはあっても、それを教育プログラムに落とし込むスキルはありません。NTT ExCパートナーグループは、世の中の最新トレンドや他社の事例をキャッチアップし、それを「高砂熱学の流儀」や「社内用語」とかけ合わせて、私たちにもっとも響くストーリーや実行の仕組みを組み立ててくれます。
たとえば、マネージャー向け施策でプロの役者さんを部下役として起用したロールプレイング施策は、とてもインパクトがありました。ベテランの受講者たちも「これはすごい」と前のめりになり、非常に高い学習効果が得られました。こうした企画力と、当社の文化を深く理解した上でのカスタマイズ力は、他社にはない強みだと感じています。

【効果と変化】

階層別の目標が明確化し、若手の基礎能力が向上

――一連の取組みを経て、社員の方々の行動や意識などにどのような変化が見られましたか。

佐瀨さま 階層別にめざすべき姿が明確になったことで、特に若手社員の迷いがなくなったと感じます。以前のような「先輩の背中を見て盗め」という指導ではなく、言語化・視覚化されたプロセスがあることで、安心して業務に取り組めています。

畠山さま 若手の基礎能力、特に「自分の考えを言語化して伝える力」や「資料作成能力」は、私たちの若手時代よりも遥かに高くなっています。
意識の変化という点では、NTT ExCパートナーグループの提案による「生成AIワークショップ」も印象的でした。今時の若手社員はAIを使いこなしていると思っていましたが、実態調査をすると2割程度しか使っていないことが判明しました。そこでワークショップを実施したところ、一気に活用が進みました。こうした「思い込みと実態のギャップ」に気づかせてくれる点も効果の一つです。

山口さま 毎年実施している定点観測は、非常に重要な指標になっています。たとえば、あるマネージャーが「自分は部下と良好な関係を築けている」と思っていても、診断結果では部下から厳しい評価が出ていることがありました。私が口頭で伝えるだけでは響かないことでも、客観的なデータとして突きつけられると、本人はショックを受けつつも納得し、自らの行動を改めるきっかけになります。感覚ではなくデータに基づいて組織の状態を把握し、次の打ち手を考えられるようになったことは大きな成果です。
また、かつてのような「営業の必要性」を再認識させる施策も効果的でした。現在の好況しか知らない若手社員に対し、あえて40代の課長たちが過去の苦労話や、以前の営業プロセスを語る場を設けたことで、「仕事は待っているだけでは取れない」という意識の変化が見られました。

【NTTへの評価】

2人3脚で知恵を出し合うパートナー

――プロジェクトを通じて、弊社の支援スタイルについて、どのような点を評価されていますか。

佐瀨さま 一般的な研修会社のような一方通行の講義ではなく、NTT ExCパートナーグループは当社の企業文化や歴史、経営戦略などをすべて踏まえて内容を組み立ててくれるので、私たちに刺さりやすいと感じます。

山口さま 良い意味で「契約の枠を超えて相談に乗ってくれる」パートナーです。人材育成プログラムの提供にとどまらず、プロジェクトに必要な資料作成をサポートしてくれるなど、当社が苦手とする表現の部分を、プロのセンスで補ってくれる。常に寄り添ってくれる姿勢を評価しています。

畠山さま 当初は、建設業特有の「長い時間をかけて人脈と信頼を作る」という営業スタイルを理解してもらうのに苦労しましたが、今では社内の人間以上に当社のことを理解してくれています。説明しなくても阿吽の呼吸で通じる関係性は非常にありがたいです。

【今後の展望】

建設業から脱皮し「環境クリエイター®」として進化

―― カーボンニュートラル事業をはじめ、新たな事業を拡大していくにあたり、これからの営業社員にはどのようなマインドセットが求められますか。

山口さま 「環境クリエイター®」というビジョンは浸透してきましたが、現場の営業がそれを自分ごととして実践するには、まだ乗り越えなければいけない壁があります。既存の建設業の仕事にいそがしく取組むなかで、いかにして新たな領域(カーボンニュートラル事業、水素事業など)へ意識を向け、挑戦していくか。今後は「建設業からの脱皮」を目指し、5年後、10年後を見据えた新たな価値提供ができる人材を育てなければなりません。そのためには、建設業界の常識にとらわれない、広い視野と論理的思考力が求められます。

──さらなる変革に向け、NTT ExCパートナーグループとの共創に期待することは何ですか。

山口さま 私たちだけでは気づけない世の中のトレンドや、異業種の知見をこれからも注入していただきたいです。
たとえば、昨年提案してもらった「越境学習」などは非常に良い例です。建設業の中だけでなく、異業種の同世代とチームを組んでやるような施策をもっと企画してほしいですね。
このような取組みは、当社だけでも、NTT ExCパートナーグループだけでも実現できません。お互いに知恵を出し合い、高砂熱学を一番よく知るプロとして、次の変革を支えていただけることを期待しています。

  • 文中に記載の企業名・組織名・所属・肩書き・取材内容などは、全て2026年2月インタビュー時点のものです。

ExCの強み

  • NTTグループの技術力を活用した
    先端ソリューション

    • NTTグループの研究開発の実績や技術力を基盤にしたソリューションで、一歩先を行く、科学的アプローチを実現

  • 人事・総務の各領域に精通した
    プロフェッショナルが伴走

    • 30年以上にわたりNTTグループの人事・総務を担ってきたHC領域の専門家が伴走

  • 『人と組織を変える施策の実行』と『振り返りでやりっぱなしを防止』の文字を、双方に向かう矢印でサイクルになっていることを表した図。

    施策効果の振り返りまでを
    実施して改善サイクルを実現

    • ExCパートナーのソリューションでは、実行後の振り返りを行い、次の改善活動に向けた示唆出しまでサポートします。

30年以上のご支援で
培われたノウハウで
800社以上の企業での
導入実績