タレントマネジメントシステムを「人材価値の最大活用」に繋げるポイントを紹介!

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近年、「HRテック」と言われる人材マネジメント領域へのデジタル導入が注目され始めています。しかし、実際のところは、人材マネジメント分野へのシステム導入やデジタル化は十分に進んでいないのが実態です。例えば、HRテックのひとつである「タレントマネジメントシステム」も、普及が進まないひとつ。そこで、今回はタレントマネジメントシステムの普及が進まない理由と導入や活用を進めるためのヒントをご紹介していきます。

タレントマネジメントシステムの普及状況と活用が進まない理由

人材マネジメント領域におけるデジタル導入、いわゆる「HRテック」に対する注目が集まっています。パーソル総合研究所が発表した「人材マネジメントにおけるデジタル活用に関する調査2020」では、75.5%の企業が人材マネジメントにデジタル活用を推進すべきと考えている、という結果となりました。人的資本経営を背景とした“人材価値の最大活用”に資する「タレントマネジメントシステム」導入を検討している企業も少なくありません。

参考サイト
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/digital-utilization.html

一方で、HRテックの中でも企業のタレントマネジメントシステム導入率は2割程度にとどまっています。また、タレントマネジメントシステムの活用に取り組む企業のうち、導入成果が出ていると認識している割合も2割程度となりました。

従業員一人ひとりの経歴や能力(タレント)を人事マネジメントに活かす、という考え方は、人的資本経営を推進する社会の潮流などに後押しされたこともあって認知が広まってきています。それにもかかわらず、なぜ、こうした考え方のもとにつくられたタレントマネジメントシステムの活用は進まないのでしょうか?その理由の一つとして、ツールの導入に留まり、導入後の活用まで踏まえた人事戦略の策定がおざなりになっていることが挙げられます。

本コラムでは、こうした背景を踏まえ、タレントマネジメントシステムの特徴、強みと人事戦略に活用していくポイントを解説していきます。

タレントマネジメントシステム活用のポイント~導入前編~

まず、タレントマネジメントシステムの導入前に検討すべき主なポイントは下記の通りです。

①自社が解決したい人材マネジメント課題の整理

例)次世代の経営を担う人物が育っていない

②人材戦略の検討:課題解決に繋げるためには、どのような人事戦略が必要か?

例)従業員の育成・教育、年次を問わない管理職への立候補制度の新設、新しい従業員の雇用・育成

③人事制度の見直し:あるべき人事戦略を支えるために、現状の人事制度は適切か?あるいは見直しが必要か?

例)年功制を敷いている現行の人事制度を見直し、スキル要件の明確化、ジョブ型人事検討が必要
例)年次に応じた育成施策だけでなく、役職別の育成施策や、従業員が自ら学べる仕組みづくりによる自発的な学びの機会提供が必要 等

④人事データ活用の設計:①~③を実現するために、どんなデータを、どのように活用していくか?

例)現状の従業員の各スキルに関するデータを活用し、社内の組織開発施策につなげていく 現状の従業員の評価データをもとに、次世代経営人材候補となりそうな社員の傾向を明確化し、育成施策や新たな雇用の要件につなげてく 等

これらの基盤を固めることで、システム導入効果が期待できます。タレントマネジメントシステムは、人的資本経営のなかでも人材ポートフォリオを具現化するツールのひとつなので、人事制度や組織開発、社員育成のグランドデザインなどの再設計などと組み合わせて導入や活用を検討していくことが重要です。

では、タレントマネジメントシステムを導入した後、実際に人材マネジメントの課題解決に繋げるためには、どのように活用していけばよいのでしょうか?

タレントマネジメントシステム活用のポイント~導入後編~

「システムやツールを導入したから、これで課題を解決できる」と思われる方もいるかもしれません。しかし、導入後こそ、タレントマネジメントシステムだけで課題解決しようと思わないことが重要なのです。

タレントマネジメントシステムは「従業員ひとり一人の経歴や能力(タレント)」を管理し、マネジメントするために設計されているので、データの管理は得意分野です。つまり、“現在時点の”従業員のデータの収集・管理を便利に、効率よく行うことができます。

しかし、“今後の”従業員や組織の能力開発といった未来に向けた施策を実現していくには、システム単体で使うのではなく、別の打ち手や仕組みと連動を図っていかなければなりません。

例えば、従業員の学習履歴が蓄積されているe-ラーニングシステムや人材育成の施策をタレントマネジメントシステムと組み合わせることで、従業員が何を学び、今後どうしていこうとしているか、キャリアパスを明確に定義したり、適切な研修を通して従業員に成長機会を提供することに繋がります。

その結果として、個の能力を把握するだけでなく、より伸ばしていけるような仕組み作りに繋がります。組織の人材マネジメントにおいて、現在時点の能力把握や配置検討、弱点分野の育成強化だけでなく、将来的に必要となる人材モデルの定義や目標設定なども可能になるのです。

システムを導入して終わり…ではなく、それぞれのツールを自社の人材マネジメントの課題解決に繋げていかなければいけません。「タレントマネジメント×LMS(e-ラーニングシステム)×社員育成施策」によって相互補完したアプローチを行うこと、また、各データがきちんと連携されていることが、タレントマネジメントシステム活用の成功のカギとなります。

システム導入前から後まで、人材育成をまるっとサポート

ここまで、タレントマネジメントを「人材価値の最大活用」に繋げるポイントを紹介しました。NTT ExCパートナーでは、タレントマネジメントシステムの導入前検討から導入、その後の活用から定着化に至るまで、システムと施策を複合的に支援しています。

「タレントマネジメントシステムに興味はあるものの、費用対効果の具体的なイメージがわからない」「LMSに蓄積されたデータを育成施策に活用したいが、どうすれば良いのだろう?」とお悩みの方は、ぜひ下記ページをご覧ください。

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〇タレントマネジメントシステム活用に向けた支援は
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