CASE STUDY
豊富な機能を駆使し“受講率100%”を継続!日本コムシスが取り組むLStepを活用した育成施策
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学習管理システム「LStep」を導入し、社員育成にご活用頂いている日本コムシス様の事例をご紹介します。

企業の研修は、従業員のスキル向上や組織の成長に不可欠ですが、その効果を正しく測定しなければ、研修の成果が不明確になり、改善につなげることができません。また、人事部門にとって、研修のROI(投資対効果)を把握し、経営層に納得感のある効果を示すことは、重要な課題です。
そこで本記事では、研修の効果測定の基本から、代表的な評価方法、効果的な測定手法、実践時のポイントまで、詳しく解説いたします。
人事の施策としての研修は、従業員のスキル向上や業務の効率化を目的とし、組織全体の成長を促す重要なものの一つです。
しかし、研修の成果を正しく測定しなければ、その投資が本当に有益であったのかを判断することはできません。
研修後に効果測定を行うことで、研修が従業員や組織にどのような影響を与えたのかを把握し、より効果的な人材育成へとつなげることができます。そのため、研修後の効果測定は、必要不可欠なものといえます。
研修の効果測定を行う必要性について、もう少し詳しく見ていきましょう。
企業が研修を実施する目的は、単なる知識の付与だけではなく、組織全体の生産性向上や業績向上に寄与することにあります。
しかし、ただ研修を行っただけでは、その成果がどれだけの影響を与えたのかを明確に判断することはできません。
特に日本企業では、研修が「目的」になりがちで、効果測定が軽視される傾向にあります。企業競争力を強化するためには、研修を「戦略的な投資」として捉え、継続的に改善していく姿勢が求められます。
研修後に、効果測定が求められる理由は、主に次の2点です。
研修が実際に業務の改善につながったのかを確認しないままでは、効果の有無がわかりません。
研修が成功したかどうかは、研修後の業務パフォーマンスやビジネス成果にどれだけ影響を与えたかによって判断できます。
たとえば、営業研修を受けた社員の受注率が向上したのか、管理職研修を受けたリーダーのマネジメントスキルが改善されたのかを測定することが重要です。
そこで、データに基づいた効果測定を行うことで、研修の成果を可視化し、次回の研修設計に活かせるようになります。
人事部門が研修を企画・実施する際、経営層に対して効果を説明する必要があります。研修にはコストがかかるため、「どのくらいの費用対効果があるのか」を経営陣に示すことが重要です。
ROI(Return on Investment/投資対効果)の観点から、以下のようなデータを提示できると、経営層の納得感を高めることができます。
こうしたデータを報告するためにも、効果測定を行う必要があります。
研修の効果測定を行うことで、次の5つのメリットが期待できます。
研修を実施しただけでは、その成果を正しく把握することはできません。
研修の効果測定を行うことではじめて、学習成果や業務への影響をデータとして可視化し、改善点を特定できます。
得られるデータと確認できる項目の例:
「経営層への説明責任と研修戦略の最適化のため」でもお伝えしたように、研修には時間とコストがかかるため、その投資対効果(ROI:Return on Investment)を把握することが重要です。
効果測定を行うことで、「どの研修が高いROIをもたらすのか」を判断し、最適な人材育成戦略を構築できます。
研修の効果を測定し、フィードバックを受講者に還元することで、学習意欲を高めることができます。
逆に、研修後のフィードバックや評価がなければ、受講者は自身の成長を実感しにくく、研修への積極性が低下する可能性があります。
具体的には、研修前後のスキル評価を数値やデータで示し、受講者自身が成長を実感できるようにすることが有効です。
また、営業研修後に成約率が向上した社員に対して社内で表彰を行うことで、ほかの社員の研修への意欲を高める効果も期待できます。
研修の効果測定を行うことで、受講者ごとの理解度やスキルの定着度を把握し、個別のフォローアップが可能になります。
すべての受講者が同じペースで学習を進められるわけではなく、苦手分野や理解度の差が生じることは自然です。そのため、一律の研修ではなく、一人ひとりの進捗に応じた追加研修や補足説明を行うことが重要になります。
たとえば、テスト結果を分析し、特定のスキルが不足している受講者には追加の学習コンテンツを提供する、あるいは実践的なワークショップを実施することで、理解の定着をサポートできます。
研修の効果測定を適切に行うことで、企業全体の成長を促し、長期的に見て企業価値の向上にも寄与します。人材育成が進むことで、従業員のスキルが向上し、組織全体の生産性や競争力が強化されるため、企業のブランドイメージや市場での評価も高まるでしょう。
また、求職者にとって、研修などに力を入れている企業は魅力的に映り、採用活動においても競争力を持つことができます。
さらに、社内で高度なスキルを持つ人材が増えれば、外部リソースに依存する必要が減り、内製化が進むことでコスト削減にもつながります。
研修の効果測定を適切に行うことは、企業の持続的な成長を支える重要な要素となります。
「カークパトリックモデル」とは、米ウィスコンシン大学の名誉教授であるドナルド・L・カークパトリック(Donald Kirkpatrick)氏が、1959年に提唱した、教育や研修の評価手法を体系化したモデルです。
「カークパトリックモデル」では、研修の効果測定を「反応・学習・行動・結果」の4段階で評価します。
各レベルでの具体的な評価方法を以下にご紹介いたします。
カークパトリックモデルの最初のステップでは、「受講者の反応」を測定します。 受講者が研修に対してどのような印象を持ったのか、満足度や学習環境の適切さを評価します。研修そのものだけでなく、講師や教材といった研修の構成要素についても評価してもらいましょう。
たとえば、「講師の説明がわかりやすかったか」「研修内容が実務に役立ちそうか」といった項目を分析することで、研修設計の改善点を特定できます。
ただし、満足度が高いからといって、必ずしも研修が効果的だったとは限りません。次のレベルである「学習」の評価と組み合わせることが重要です。
2段階目に、研修でどれだけの知識・スキルを習得したかを測定します。
受講者が研修を受けたことで実際にスキル向上が見られるかどうかがポイントになります。
また、学習レベルの評価結果をもとに、研修のカリキュラムや教材を改善することで、より効果的な学習体験を提供できるようになります。
3段階目では、研修を通じて得た知識やスキルが業務における行動変容につながり、実際の業務に活かされているかどうかを測定します。
この段階では、研修受講者が職場でどのような変化を見せているか、具体的な行動変容を観察します。
たとえば、営業研修を受けた社員が新しい営業手法を実践しているか、顧客対応スキルが向上したかを定期的に確認することで、研修の有効性を評価できます。
この段階で評価が得られない場合は、研修内容が実務に適用されていない可能性が高いです。その場合は、以下のような改善策を検討するとよいでしょう。
最終段階では、研修がビジネス成果に結びついたかどうかを確認します。
具体的には、研修が企業の業績や組織の成長にどのような影響を与えたのかを評価します。
研修の効果が経営成果に直結していることを示せれば、研修の継続的な実施や予算確保の説得材料になります。
研修の効果測定を適切に行うことで、研修の質を向上させ、従業員の成長や企業の業績向上につなげることができます。
ここでは、研修の効果測定を成功させるための重要なポイントをご紹介します。
研修の効果を正しく測定するためには、まず「何を目的とした研修なのか」を明確にすることが重要です。目的が曖昧なままでは、適切な評価基準を設定することができません。
研修ごとにKPI(重要業績評価指標)を設定し、具体的な数値で評価できるようにすることがポイントです。
たとえば、以下のように目的ごとに測定すべき指標を設定しましょう。
研修の目的 | 測定すべき指標例 |
---|---|
新入社員研修 | 業務理解度テスト、OJT適用率 |
営業スキル向上 | 成約率、営業プロセスの改善度 |
DX研修 | 新しいITツールの利用頻度、業務効率の改善度 |
リーダーシップ研修 | 部下からの評価、マネジメントスキルの向上 |
効果測定を行う際に、評価の基準や評価項目が曖昧だと、正確なデータを得ることが難しくなります。そのため、研修の目的に応じた評価基準を事前に明確に設定しておくことが重要です。
評価基準は、「知識・スキルの習得」「行動の変化」「業績への影響」など、複数の視点から設定すると効果的です。たとえば、営業研修であれば「営業スキルの向上」だけでなく、「顧客との商談件数」や「成約率の向上」など、業績に直結する項目も評価指標に含めることで、より実践的な効果測定が可能になります。
研修の効果測定を適切に行うためには、測定のタイミングを事前に決めておくことが重要です。タイミングを誤ると、正確な評価が難しくなったり、研修の影響を正しく把握できなくなったりする可能性があります。
一般的には、研修の直後(短期的な効果)、一定期間経過後(中期的な効果)、半年から1年後(長期的な効果)の3つのタイミングで測定するケースが多いです。
具体的な測定タイミングの例
研修の種類によって最適な測定タイミングは異なるため、目的に応じたスケジュールを策定し、継続的な評価を実施することが求められます。
研修の影響を評価するためには、研修前後のデータを比較することが重要です。比較することで、研修によるスキル向上や行動変容を定量的に確認できます。
前項で挙げたような測定すべき指標を研修前後で比較しましょう。
たとえば、営業研修の前後で成約率を比較し、向上しているかどうかを分析することで、研修の実務適用度を評価できます。
効果測定では、定量的なデータ(数値評価)と定性的なデータ(主観的評価)を組み合わせることが重要です。
たとえば、「カークパトリックモデル」のレベル3(行動変容)を評価する際に、上司や同僚からのフィードバックと業務データの変化を組み合わせて分析すると、より詳細な評価が可能になります。
データの種類 | 具体例 | 活用方法 |
---|---|---|
定量データ | テストスコア、KPIの変化 | 数値での客観的評価 |
定性データ | 上司・同僚からの評価、受講者の感想 | 行動変容や意識変化の把握 |
近年、多くの企業がLMS(学習管理システム)などのHRテック(HR Technology)を活用し、研修の効果測定を自動化・効率化しています。
たとえば、LMSを導入することで受講履歴やテスト結果を一元管理し、受講者ごとの成長を追跡できるようになります。
また、HRアナリティクスツールを活用することで、研修受講者の業務パフォーマンスが向上したかどうかを可視化できます。
ツールの種類 | 活用例 |
---|---|
LMS(学習管理システム) | 研修受講データ、テスト結果を自動で記録 |
HRアナリティクスツール | 研修と業績データを連携し、パフォーマンスを分析 |
360度評価ツール | 上司・同僚からの評価を自動集計 |
eラーニングプラットフォーム | 研修後の継続学習とフォローアップ |
研修の効果測定は一度きりではなく、継続的な改善が必要です。PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを活用し、研修プログラムの質を向上させましょう。
たとえば、研修後のアンケートで「研修内容が難しすぎる」といったフィードバックが多かった場合、次回の研修では事前学習コンテンツを提供するといった改善策を講じることができます。
企業における研修の目的は、従業員のスキル向上や業務の効率化を通じて、組織全体の成長につなげることです。成果を最大化するために、研修を実施するだけではなく、その効果を適切に測定し、継続的な改善を行うことが不可欠です。
企業が研修をより効果的に運用するためには、研修の設計段階から効果測定の計画を組み込むことがポイントです。特に、デジタル技術を活用した研修評価の方法を取り入れることで、より精度の高い研修プログラムの設計が可能になります。
また、従業員が研修を受けるだけで終わらず、学んだ内容を実務に活かせる環境を整えることも重要です。そのためには、研修後のフォローアップ体制の強化や、企業全体での学習文化の醸成が求められます。
研修の効果測定を適切に実施し、研修の質を高めることで、企業の持続的な成長と競争力の強化を実現していきましょう。
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