行動経済学 第10章:ナッジ理論の代表格=デフォルトとは?悪いナッジって何?

自然な投げかけを通じて、人の意思決定におけるクセへと作用することで、スマートな変化を促すナッジ理論
前回のEASTと並ぶ代表的なフレームワーク=NUDGESを紹介しましょう

NUDGES?

NUDGESには

  • 動機や利益を与える=インセンティブ
  • 選択によるメリット/デメリットが理解できる=マッピングの理解
  • あらかじめ推奨したい選択肢を初期設定にする=デフォルト
  • その行動の正誤を伝える=フィードバックの提供
  • 頻出するミスに予測・対策する=エラーの予測
  • 選択肢を直感的に伝える=複雑な選択の体系化

といった要素があります

今回は最も重要なキーワード=デフォルトを掘り下げてみましょう

デフォルトは元々、初期設定という意味を持ちます

選択肢を提示する際、何もしなければ自動的にデフォルトが選ばれる形で投げかける仕組み
その内容を避けたい場合は、他の選択肢を選んで意思表示する手法です

一般的には、提供側が選んで欲しい選択肢を初期設定とします

基本設定で完結するんだね

いくつか事例をご紹介しましょう

  • ジェネリック医薬品を普及するために、処方箋の様式を変更
    デフォルトをジェネリックを選択する設定に
  • 臓器提供の意思表示カードにおいて、デフォルトを提供する設定に
  • メールマガジンなどの配信設定において、デフォルトを配信する設定に

人は本質的に決断することが苦手なのです
「意思を持って何かを決める」ことは簡単なようで、実はストレスでもあります

それでいて人は、選択を押し付けられる事もイヤなものです
だからこそ選択肢を示しつつも、ストレスなく決断できる状況をつくる手法は有効なのですね

行動経済学によるアプローチは、大きな効果をもたらす
その力を悪用した負のナッジ=スラッジと呼ばれるものも存在します

  • サブスクの解約方法を意図的に長く、分かりづらくする
  • ユーザーが不利益になるよう、悪意をもって選択肢を誘導する などです

企業や組織が短期的な利益を得るために用いられがちですが、倫理観やブランド価値への影響に留意すべきと言えます

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