タレントマネジメントの課題とは?対策方法や注意点を解説

  • タレントマネジメント
  • 人材育成の基礎知識
  • 組織開発

近年、多くの企業がタレントマネジメントに注力しています。
組織全体の生産性向上や優秀な人材の定着、適材適所の配置は、企業の成長に不可欠です。
しかし、タレントマネジメントを実施する上で、多くの課題が存在するのも事実です。

この記事では、タレントマネジメントにおける代表的な課題を整理し、その解決策や運用時の注意点について解説します。

タレントマネジメントとは

タレントマネジメントとは、企業が従業員一人ひとりの能力や適性を把握し、最適な配置や育成、評価を行うことで、組織全体のパフォーマンスを最大化する人材戦略のことです。

「タレント(才能・人材)」という言葉が示すように、従業員のスキルや特性を理解し、適材適所の配置やキャリア開発を行うことで、個々の能力を最大限に引き出します。

従来の人事管理が労務管理や業務評価を中心としていたのに対し、タレントマネジメントでは、従業員の成長支援や長期的なキャリア形成にまで視野を広げて管理を行います。

タレントマネジメントの課題と対策方法

タレントマネジメントは、企業の成長や競争力の向上に欠かせない重要な取り組みですが、導入から運用までには多くの課題が存在します。

ここでは、導入前と導入後のそれぞれの段階で発生しやすい課題とその解決策について詳しく解説します。

タレントマネジメント導入前の課題と解決方法

自社の課題が明確化されていない

タレントマネジメントを導入する際に、自社の課題や改善すべきポイントが明確でない場合、効果的な運用が難しくなります。

■解決策

  • 現在の人事課題や組織の問題点を洗い出す。
  • 定量的データ(離職率、社員満足度、パフォーマンス評価など)を収集して現状を可視化する。
  • 経営層と人事部門が協力してタレントマネジメントの目的を明確化する。

人材不足の原因や部署が明確になっていない

人材不足の原因や起きている部署が特定されていないと、適切な人材配置や育成ができません。

■解決策

  • 部署ごとの人材の定着率や採用成功率を分析する。
  • 人材不足の原因(スキル不足、離職率の高さ、採用プロセスの課題など)を特定する。
  • 必要な人材要件を明確にし、採用プロセスを見直す。

適材適所の人材配置ができていない

従業員のスキルや特性が適切に把握されていない場合、最適な配置が難しくなります。

■解決策

  • 従業員のスキルや経験、希望をデータベース化し、可視化する。
  • 適性検査や評価ツールを活用し、各従業員の特性を把握する。
  • 定期的に配置の見直しやフォローアップを行う。

人材育成が進んでいない

育成プランが不十分な場合、従業員のスキル向上やモチベーション維持が難しくなります。

■解決策

  • 育成プログラムやキャリアパスを明確化する。
  • 定期的な研修やスキルアップの機会を提供する。
  • 効果的な教育研修を実施するため、学習管理システム(LMS)等を活用する。

人事業務の負担が重い

データ入力や管理業務が煩雑だと、人事担当者の負担が増加してしまいます。

■解決策

  • タレントマネジメントシステムを導入し、業務の自動化・効率化を図る。
  • データ管理をデジタル化し、アクセスしやすい環境を整備する。

タレントマネジメント導入後の課題と解決方法

タレントマネジメント導入後においては、次のような課題が生じがちです。

目的が共有されていない

導入後にタレントマネジメントの目的が現場レベルまで浸透していない場合、効果が薄れてしまいます。

■解決策

  • 経営層から現場まで、目的やビジョンを明確に伝える。
  • 定期的なミーティングや研修で、タレントマネジメントの意義を再確認する。

導入後に見えてきた自社の課題への対応ができていない

運用段階で新たな課題が発見されても、適切に対策が講じられないケースがあります。

■解決策

  • 定期的なデータ分析を行い、新たな課題を早期発見する。
  • PDCAサイクルを回し、継続的な改善を行う。

自社に最適な運用ができていない

タレントマネジメントの運用が、企業文化や組織体制に合っていない場合、定着しづらくなります。

■解決策

  • 自社の文化や風土に合わせた運用方針を設計する。
  • 専門のコンサルタントを活用し、運用体制を最適化する。

データ不足で分析ができない

データが不足していると、効果測定や次の施策立案が難しくなります。

■解決策

  • 定期的に従業員データを更新・収集する。
  • データ管理システムを導入し、効率的にデータを蓄積する。

幹部や経営層の理解が不十分

経営層の理解やサポートが不十分だと、運用が停滞する可能性があります。

■解決策

  • 定期的に経営層に向けた成果報告を行う。
  • タレントマネジメントのROI(投資対効果)を数値化して提示する。

タレントマネジメントの課題を克服するための注意点

タレントマネジメントの課題を克服し、効果的に運用するためのポイントを解説します。

目的を常に意識する

タレントマネジメントを効果的に運用するためには、目的を常に意識することが最も重要なポイントです。

まずは、自社におけるタレントマネジメントの目的(例:人材の定着率向上、リーダー人材の育成)を明確にしましょう。
その上で、目的やビジョンを経営層から現場社員まで一貫して共有し、共通認識を持つようにします。
さらに、離職率低下や社員のエンゲージメント向上など、具体的な目標を設定し、進捗を把握することが重要です。

手段を目的化しない

タレントマネジメントは手段であり、それ自体が目的ではないことを理解した上で取り組みましょう。
導入後も、運用状況や効果を定期的に評価し、本来の目的に沿った運用を行います。
また、目的に基づいた業務プロセスを設計することも重要です。

人材データの管理を徹底する

従業員のスキル、キャリア志向、評価結果などのデータを定期的に更新し、最新データを保ちましょう。
そのためには、人材データは分散させず、一つのシステムで一元管理し、必要なタイミングでアクセスできるようにすることが大切です。
ただし、個人情報の取り扱いには細心の注意を払い、セキュリティ対策を徹底しましょう。

社内全体で取り組む

タレントマネジメントは、社内全体で取り組むことが大きなポイントになります。

まずは、経営層が率先してタレントマネジメントに取り組み、組織全体に浸透させることが重要です。
また、人事部門だけでなく、各部門のリーダーや現場担当者も積極的に運用に関与することが大切です。タレントマネジメントの意義や目的を理解するための研修を実施すると良いでしょう。

PDCAを回し続ける

タレントマネジメントの運用は、継続的にPDCAを回し続けることが大切です。

KPIやKGIを設定し、定期的に成果を確認したり、データ分析を通じて課題を特定し、改善策を立案したりすると良いでしょう。
環境変化や新たな課題に柔軟に対応できる体制を整えることも重要です。

まとめ

タレントマネジメントは、企業が持続的な成長を実現するために欠かせない重要な取り組みです。適切に運用することで、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、組織全体の生産性向上や人材定着率の向上が期待できます。

しかし、タレントマネジメントの運用にはさまざまな課題があり、適切な対策を講じ、注意点を把握しておくことが成功のカギとなります。
ご紹介した解決策を参考に、タレントマネジメントの成功をめざしましょう。

NTT ExCパートナーでは、タレントマネジメントシステム「カオナビ」を提供しています。データに基づく育成体系に沿った人材育成ソリューションの提供、クラウド型学習管理システム「LStep(エルステップ)」ともAPI連携可能です。
タレントマネジメントシステムの導入サポートから、導入後の継続的な活用をサポートし、お客様企業の人材育成をご支援します。

詳細は、こちらのページをご覧ください。

ExCの強み

  • NTTグループの技術力を活用した
    先端ソリューション

    • NTTグループの研究開発の実績や技術力を基盤にしたソリューションで、一歩先を行く、科学的アプローチを実現

  • 人事・総務の各領域に精通した
    プロフェッショナルが伴走

    • 30年以上にわたりNTTグループの人事・総務を担ってきたHC領域の専門家が伴走

  • 『人と組織を変える施策の実行』と『振り返りでやりっぱなしを防止』の文字を、双方に向かう矢印でサイクルになっていることを表した図。

    施策効果の振り返りまでを
    実施して改善サイクルを実現

    • ExCパートナーのソリューションでは、実行後の振り返りを行い、次の改善活動に向けた示唆出しまでサポートします。

30年以上のご支援で
培われたノウハウで
800社以上の企業での
導入実績