人事業務でAIを活用するメリットや活用例、活用ステップなどについて解説

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近年、企業でもAIの導入が急速に進んでいます。人事業務においては、採用、評価、教育、労務管理など、幅広い領域でAIを活用することで、業務効率化や客観的な判断といった効果が期待されています。
特に、日本では少子高齢化による人材不足やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められる中、AIの活用は避けて通れません。そこでこの記事では、人事業務におけるAI活用のメリットや具体的な活用例、導入ステップについて、詳しくご紹介いたします。

人事業務におけるAIとは

日本では、少子高齢化に伴う人材不足やDX推進の流れを背景に、人事部門の業務改善が喫緊の課題となっており、その解決策としてAI活用への期待が高まっています。

従来の課題として、人事業務は「担当者の主観に依存しやすい」「業務が属人化しやすい」といった、特定の担当者の影響が大きい点が挙げられます。また、別の課題として、業務が煩雑になりやすいこともあります。たとえば、属人化された特定の業務が頻繁に発生することにより、担当者に過度な負荷がかかり、長時間労働を招いている可能性があります。これは、担当者の負担増だけでなく、業務全体の停滞にも繋がりかねないため、早急な対応が必要です。

そこで人事業務にAIを導入し、人事業務をご担当の方によって人手で行われてきた煩雑な作業や、主観に依存しやすい判断をデータドリブンで効率化・客観化することで、人事業務の改善が期待できます。

一方で、AIを導入する際には「どの業務をAIに任せ、どの業務は人が担うべきか」の切り分けが重要です。AIはあくまで「人の判断を補完するツール」であり、最終的な意思決定は人が行うべきであるという観点も忘れてはなりません。AIを最適に活用するためには、こうしたバランスを意識することが求められています。

このように、人事業務におけるAI活用は単なる業務効率化を超え、データに基づく戦略的人事の実現を後押しする存在へと進化しています。人事業務をご担当の方には、AIの可能性と限界を正しく理解した上で、自社の課題や目的に応じた適切な活用方法を模索することが求められます。

人事業務でAIを活用するメリット

AI技術の進展により、人事部門におけるAI活用の可能性が大きく広がっています。
ここでは、AIを人事業務に導入することで得られる4つの主要なメリットについて解説します。

公平な人事評価ができる

従来の人事評価では、上司や評価者の主観が評価結果に影響を及ぼすことが少なくありませんでした。しかしAIを活用することで、客観的なデータにもとづいた公平な評価が可能になります。

たとえば、従業員の勤務状況やプロジェクトでの成果、スキル習得状況といった多様なデータをAIに読み込ませれば、AIがデータを統合・分析してくれます。その上で、あらかじめ設定された評価基準と照らし合わせてスコアリングを行ってくれるため、人事評価の効率化を実現することが可能です。

このように「数値化された情報」と「評価基準の要件定義」を準備し、AIに分析させることで、評価の透明性と精度が高まり、従業員の納得感や信頼感の向上にもつながります。

業務の効率化と生産性の向上につながる

人事業務の中には、採用管理や労務手続き、社内問い合わせ対応など、多くの定型業務が含まれています。これらをAIが自動化することで、業務負担を大幅に軽減でき、限られたリソースを戦略的業務に集中させることが可能です。

従業員のモチベーション管理ができる

AIを活用することで、従業員のモチベーションやエンゲージメントの状態を可視化でき、状態に合わせたタイムリーな対応が可能になります。

たとえば、AIが従業員のアンケート結果や人事データ、離職傾向のパターンなどを分析することで、エンゲージメントの低下リスクが高い従業員を抽出し、離職防止の手を打つことができるようになります。具体的には、対象従業員とのフォローアップ面談や、業務内容の調整、上司・関連社員への状況確認といった施策が効果的だと考えられます。

採用活動を効率的に進めることができる

採用業務においてもAIの活用は大きな効果をもたらします。履歴書の自動スクリーニングや面接の日程調整、候補者データの管理など、多くの業務を自動化することで、採用担当者の負担軽減だけでなく、採用スピードの向上にもつながります。
さらに、AIに過去の採用データや成功事例、毎年の採用基準などを学習させることで、自社に最適な人材を抽出する精度を向上することができます。このようにして、採用ミスマッチのリスクを減らし、質の高い採用活動を実現できます。

人事業務でのAI活用例

AI技術の進化により、人事業務におけるAIの活用範囲は拡大しつつあります。ここでは、採用から人材育成、人事評価、従業員管理、問い合わせ対応まで、具体的な活用例をご紹介します。

採用業務

採用業務では、AIが応募者のデータ解析や選考プロセスの自動化に利用されています。 「採用活動を効率的に進めることができる」でもご紹介したような、履歴書や職務経歴書の自動スクリーニング、過去の採用データとの照合による候補者のスコアリング、AI面接アシスタントによる一次面接の実施などが可能です。
これにより、採用担当者の負担軽減、選考期間の短縮を実現できます。

人材育成

AIは人材育成の領域でも力を発揮します。従業員一人ひとりのスキルや学習進捗に合わせた個別最適化されたトレーニングプランの提案や、学習成果の自動評価が可能です。

人事評価

人事評価にAIを活用することで、従業員のパフォーマンスや成果を定量的に把握し、公平で透明性の高い評価が可能となります。勤務実績やプロジェクト成果、360度評価などのデータを分析し、バイアスを排除した客観的な評価指標を提供してくれます。

従業員管理

従業員の勤怠管理や休暇管理、健康管理など、日常的な人事管理業務にもAIは効果を発揮します。AIがリアルタイムで勤怠データをモニタリングし、異常値を検知したり、リスク傾向を通知したりすることで、問題の早期発見と対応が可能になります。

問い合わせ対応・管理

人事・総務部門には、日々多くの社内問い合わせが寄せられます。問い合わせ対応にAIチャットボットを導入することで、対応時間の短縮と担当者の負担軽減、業務の属人化解消を実現できます。

人事業務でAIを活用する際のステップ

人事部門でAIを効果的に活用するためには、単にツールを導入するだけではなく、導入の目的や運用体制を明確にした上で、段階的に進めることが重要です。ここでは、AI導入の具体的な5つのステップをご紹介します。

業務の洗い出し

最初に行うべきは、自社の人事業務の全体像を把握し、AIで自動化・効率化できる業務と、人の判断が必要な業務を明確に切り分けることです。たとえば、採用管理や社内問い合わせ対応、勤怠管理、評価データの集計など、定型的でデータ処理が中心の業務はAIが得意とする領域です。一方で、最終面接や重要な人事判断など、人的なコミュニケーションや裁量が求められる業務は、現段階では引き続き人が担うべきです。

業務フローの確認

次に、洗い出した業務をもとに、実際の業務フローを詳細に確認していきます。その上で、どの工程にAIを組み込むことで効果が高まるのか、どのデータが必要でどのシステムと連携が必要なのかを整理しましょう。

この段階では、各部署とのヒアリングや業務プロセスの可視化が重要です。
たとえば、AIチャットボットを導入する場合、FAQデータの整備や、既存の問い合わせ管理システムとの連携方法などを検討する必要があります。

AIツールの選定

AIを活用する業務が明確になったら、その目的に合ったツールを選定します。この時、機能性や拡張性、導入コスト、サポート体制、既存システムとの連携性など、複数の観点で評価を行うことが大切です。

たとえば、AIチャットボットを導入する場合は、「YourNavi‐QAI‐総務」のように人事・総務業務に特化した製品を選ぶことで、専門性の高いFAQや独自の機能を活用できます。また、社員教育用途では「AIアバター制作サービス」を利用して、AIアバター講師によるeラーニングを実現するなど、用途に応じたソリューションを選びましょう。

導入プロセスの計画

AIツールを選定したら、導入計画を策定します。試験運用(PoC:Proof of Concept)を設け、限定的な範囲でAIの効果を検証するフェーズを設けるとよいでしょう。試験運用により、AIの精度や社内業務への適合性、運用上の課題などを洗い出すことができ、本格導入後のリスクを低減できます。

また、AI導入にあたって忘れてはならないのが人材育成です。AIツールを最大限、活用するためには、人事担当者や現場の従業員がツールの基本操作やデータの活用方法を理解している必要があります。こうした研修では、単に操作方法を教えるだけでなく、「AIは何ができて何ができないか」という理解を深めてもらうことが重要です。導入プロセスの計画段階では、研修内容や担当者、スケジュール、評価指標などもあらかじめ明確にしておくことで、スムーズな本格展開につながります。

運用と評価

AIは導入して終わりではなく、継続的な運用と改善が必要です。定期的に利用状況や効果を評価し、必要に応じてFAQの追加やAIモデルのアップデート、プロセスの見直しなどを行いましょう。

人事業務にAIを導入する際の注意点

人事業務にAIを導入することで多くのメリットが期待できる一方で、導入にあたっては事前に留意すべきポイントも存在します。ここでは、「評価の偏り」「導入コスト」「セキュリティ」という3つの観点から、AI導入の注意点について解説します。

評価の偏り

AIは大量のデータをもとに分析・判断を行いますが、その学習データに偏りが含まれている場合、AIの出す結果にもバイアスが生じる可能性があります。たとえば、過去の採用データに特定の属性への偏りがあった場合、AIが将来的に同じ傾向で評価を行ってしまうリスクがあります。

このようなリスクを避けるためには、AIによる評価を「人の目による確認」と組み合わせることが重要です。AIが出力する結果を鵜呑みにせず、最終的な意思決定は人事業務をご担当している方が行う仕組みを構築しましょう。

導入コスト

AI導入の際には、ツールやシステムの購入にかかる金銭コストだけでなく、業務フローの見直しやデータ整備、従業員教育といった間接的なコスト(時間コスト、心理コストなど)も発生します。特に、人事業務でのAI利用には、社内の人材データや業務プロセスに深く関わるため、導入初期の準備作業に時間と労力がかかることが多いです。

コスト対効果を最大化するには、スモールスタートでの導入を検討するのも一案です。たとえば、「YourNavi‐QAI‐総務」を先に導入し、問い合わせ対応の自動化から始めて成果を確認した上で、ほかのAIソリューションに段階的に拡大する方法なども考えられます。

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セキュリティ

人事部門が扱うデータは、従業員の個人情報や評価データ、給与情報など、非常に機密性の高い情報が含まれます。一般的に、生成AIサービスに入力した情報は、学習データとして取込まれます。そのため、導入するAIサービスは、入力データが学習に利用されないものを選定する必要があります。その上で、データの漏えいや不正アクセスを防ぐセキュリティ対策が施されたものを選びましょう。

さらに、運用面の対策も必要です。AI活用によるデータの扱いについては、社内ポリシーの整備や従業員への説明も重要です。

まとめ

人事業務におけるAI活用は、業務効率化、公平な評価、従業員満足度向上といった複数の効果をもたらすだけでなく、企業の競争力強化にも直結する重要な取り組みです。日本においては、少子高齢化や人材不足といった課題を背景に、今後さらにAI活用の必要性が高まるでしょう。

ただし、AI導入には「評価の偏り」「導入コスト」「セキュリティ」といったリスクや課題も存在します。導入時には、業務の洗い出しから業務フローの確認、ツール選定、導入計画、運用・評価に至るまで、段階的かつ慎重に進めることが成功の鍵となります。

本記事でご紹介した「dToshGAI」「YourNavi‐QAI‐総務」は、各社の人事課題に合わせて柔軟に活用できる注目のソリューションです。これから人事業務にAIを導入される方は、まずは小さな業務領域からスモールスタートで始め、効果を確認しながら段階的に拡大するアプローチをおすすめします。AIを味方にし、戦略的人事への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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