〝やりっぱなし〟で終わらない「管理職研修」の秘訣とは?
- 体系的な管理職育成の考え方
- NTTグループの管理職研修の事例
など、育成・研修を成果につなげるポイントをご紹介します。

管理職はリーダーシップを発揮して組織の中核を担う重要な存在です。場合によっては現場で実務を担当しながら、管理職としての役割を兼任しているケースもあるでしょう。管理職の組織内における役割の多様さゆえに、日々さまざまな課題に直面しやすいといえます。
この記事では、人事ご担当者さまに向けて、管理職が直面しやすい具体的な課題を解説します。また、管理職の課題解決のために企業ができる対策や、課題解決の成功事例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
多くの企業では、通常業務や部下育成をはじめとしたさまざまな場面で、管理職が以下のような課題に直面しています。管理職が陥りやすい課題を知るために、まずは具体例を確認してみましょう。
など、育成・研修を成果につなげるポイントをご紹介します。
ここまでご紹介したような課題に直面する管理職のために、企業は課題解決につながる対策を講じて、管理職のパフォーマンス向上を支援する必要があります。ここでは、管理職の課題解決のために企業ができる対策をご紹介します。
「仕事の進め方」「部下との関係や育成」「自分自身の管理や考え方」に関する課題を乗り越えるには、企業が管理職に適切な学習の機会を提供することが重要です。具体的には以下の施策を検討するとよいでしょう。
管理職が「業務量」に関する課題に直面している場合は、業務を抱え込みやすい状況を改善し、本来のマネジメントに集中できる環境を整える必要があります。その際は以下の施策が有効です。
「部下との関係や育成」「管理職自身の管理や考え方」に関する課題には、管理職の人間関係の質と精神的なサポートを強化する施策が効果的です。以下の施策で管理職が一人で抱え込まないような環境づくりを行いましょう。
「管理職自身の管理や考え方」「環境の変化への対応」に関する課題は、管理職を支える基盤作りを行うことで解決に導くことができます。管理職が課題を乗り越える支援を行い、モチベーション維持につながる施策を検討しましょう。
管理職の課題を解決するために、人事部の担当者が解決策を実行する流れを5つのステップでご紹介します。人事を担当する方は、具体的にどのような流れで取組むべきか確認してみましょう。
まずは自社の管理職が直面する課題を明確にします。その際は「部下との1on1でなかなか本音を引き出せない」といった形で、具体的な状況や行動のレベルで課題を洗い出しましょう。
続いて、管理職が直面する問題の原因や理由を分析します。たとえば「日常業務でも部下とのコミュニケーションが少ない」「部下が1on1を人事評価の場と勘違いしている」といった形で原因を特定します。
考えられる原因にもとづいて、複数の解決策を立案します。他社の事例を参考にする方法もおすすめです。たとえば「ツールを活用してオンラインのコミュニケーションを充実させる」「業務中に気軽な雑談の機会を設ける」といった対策が挙げられます。
複数の解決策のうち、もっとも有効と考えられる施策を選定して実行します。管理職と連携しながら、優先順位をつけて実行しましょう。
解決策を実行した後は、結果の評価を行い、改善することが大切です。一連のサイクルを繰り返すことで、管理職が自身の課題を継続的に解決し、成長できるようになります。
など、育成・研修を成果につなげるポイントをご紹介します。
ここでは、経済産業省が公表する資料「人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書~人材版伊藤レポート2.0~ 実践事例集」をもとに、管理職の課題解決事例をご紹介します。各社の事例を参考に、管理職の課題解決へ向けた施策を検討してみましょう。
アステラス製薬株式会社では、社外から「Global head of HR」を招いて人事部門の役割を進化させて、事業部門のリーダー・マネージャーの質を高めるサポートを実施しています。また、社内のHRデータをダッシュボードにまとめて、経営層の意思決定や課題解決に役立てるデータドリブンの人事に取組んでいます。データ分析の高度化へ向けて、ピープルアナリティクスのスキルを習得した社員の確保に努めていることも特徴です。
旭化成株式会社では、自社独自のエンゲージメント調査を毎年実施し、「上司部下関係や職場環境」「社員の活力」「成長につながる行動」などを調査しています。たとえば上司部下関係に関しては、「上司の働きかけ」「仕事を支える人間関係」といった項目を測定しています。この取組みにより、ラインマネージャーは管轄する部署の回答を把握し、メンバーとの対話を通じてよりよい職場をめざすことが可能です。
キリンホールディングス株式会社では、人材の多様化を推進するために女性リーダーの育成に注力しています。具体的には、女性社員のライフイベントを考慮して早期に職務経験を積む機会を作る「早回しのキャリア形成」や、女性社員がリーダーをめざすためのスキルや機会を作る「キリンウィメンズカレッジ」の施策が挙げられます。同社は施策によって2013年度比で女性リーダーの比率は2倍以上に上昇しました。
株式会社LIXILでは、次世代の経営幹部を育成するために各部門から推薦された従業員を選抜し、評価結果や本人の意思にもとづいた育成計画を作成しています。選抜された従業員の評価は、多面評価や外部アセスメントなどを通じて行われ、能力やポテンシャルを包括的に評価する仕組みです。また、管理職候補者に対しては、今後3年を目途に管理職登用をめざす方向性で育成に取組んでいます。
株式会社日立製作所では、若手優秀層を含むタレントプールから経営リーダー候補を選抜・育成するプログラム「Future50」を運用しています。同社では、実績を挙げている400名のハイパフォーマーの中から50名を選抜し、経営リーダー候補として重点的な育成が行われています。若手優秀層を含む「Future50」の選抜者には、将来の経営リーダー候補として多様な成長機会が与えられます。
ここまで、管理職が直面しやすい具体的な課題、管理職の課題解決のために企業ができる対策、課題解決の成功事例などをお伝えしました。管理職が直面する課題に対して、企業は能力開発を支援することで解決を促すことができます。社員研修をはじめとした学習の機会を提供し、管理職が課題を乗り越えるためのサポートを行うとよいでしょう。
NTT ExCパートナーでは、管理職層のスキル向上によって課題解決に貢献する各種研修プログラムをご用意しています。管理職に不可欠なマネジメントスキルや指導力を強化する研修を実施し、組織運営の課題を解決へと導きます。カリキュラムはお客さまの業務状況や課題感によって個別に設計を行うことが可能です。管理職の育成でお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
「新任管理職研修 ~部下にやる気を促す目標管理(MBO)~」は、昇格して間もない新任管理職が直面する課題の解決に役立つ研修プログラムです。マネジメントスキルやコーチングスキルを習得して部下のやる気を引き出し、組織の業績向上をめざします。
「部下指導力強化研修 ~部下のレディネスに合わせた関係構築・育成方法~」は、ロールプレイングや事例研究を通じて実践的に学べる研修プログラムです。課長クラスの管理職が現場で直面する課題へ適切に対応するスキルを習得できます。
など、育成・研修を成果につなげるポイントをご紹介します。
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