離職防止におけるコミュニケーションとは?有効な理由や方法を解説

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近年、少子高齢化による労働人口の減少に伴い、「離職防止」は企業経営における重要課題の一つとなっています。優秀な人材の流出は、生産性の低下、採用コストの増大、そして組織の知識・ノウハウの喪失に直結し、事業の成長を妨げる要因にもなり得ます。離職を防ぐために効果的かつ根本的な手段が、「コミュニケーションの改善」です。

「上司と部下のコミュニケーションが希薄で、部下が何を考えているかわからない」 
「退職理由を聞くと、いつも人間関係や将来への不安が挙がってくる」 
「離職防止施策を打っても、従業員の定着率が一向に改善しない」
このようなお悩みを抱えている人事部門のご担当者さまは多いのではないでしょうか。

本記事では、そもそも離職防止におけるコミュニケーションとは何か、なぜそれが離職防止に有効なのか、そして実際にどのような具体的な方法を活用して社内のコミュニケーションを改善し、定着率向上へとつなげるかを解説します。

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    • エンゲージメント向上と離職リスクの低減
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離職防止におけるコミュニケーションとは

企業内のコミュニケーションが活性化することで、職場における信頼関係が育まれ、心理的安全性や従業員エンゲージメントの向上につながります。離職防止において重要視されている「コミュニケーション」とは、従業員が安心して働ける環境をつくるための「相互理解のある対話」をさします。この対話は、フォーマルな場面だけに限らず、定期的な1on1ミーティングやフィードバックのような公式な手法に加え、日常の中で自然に交わされる「雑談」や「ちょっとした声かけ」も、信頼を築くうえで欠かせないコミュニケーションの一種です。

つまり、離職防止においては、業務連絡や報告のやりとりなど単に情報を伝達する手段としてのコミュニケーションではなく、働く人の不安を軽減し、安心感とつながりをもたらすコミュニケーションが重要なのです。そのため、対話の「質」と「量」の両面を見直し、継続的に改善していくことが求められています。

離職防止におけるコミュニケーションの重要性

従業員が離職を考える大きな要因は、「人間関係」と「キャリアへの不安」に集約される傾向があります。これらは、適切なコミュニケーションによって解消できる課題です。

離職の兆候を早期に発見できる

コミュニケーションが円滑であれば、上司や同僚は従業員の業務へのモチベーション低下、疲労感、不満といった離職の初期サインを早期に察知できます。早期に気づき、対話を通じて課題解決に取組むことで、問題が深刻化する前、つまり退職を決意する前に手を打つことが可能になります。

人材育成と定着を両立できる

質の高いコミュニケーションが行われていれば、指導やフィードバックの機会も多いものです。指導やフィードバックによって従業員が自身の成長を実感できる環境があれば、「この会社で働き続けたい」という意欲につながり、人材育成と離職防止を同時に実現できます。

離職防止にコミュニケーションが有効な理由

離職防止にコミュニケーションが有効な理由として、次の3点が挙げられます。

人間関係の質が高まる

離職理由の中でも、よくある理由が「職場の人間関係」です。たとえば、部署間の連携不足や、上司と部下との距離感によって、従業員が心理的に孤立してしまうケースが見受けられます。こうした関係性の希薄化は、離職意向を高める要因となってしまいます。

このような問題に対しては、日常的なコミュニケーションの「量」と「質」の両方を向上させることが重要です。たとえば、定期的な1on1ミーティングやカジュアルな雑談の促進は、従業員の本音や悩みを引き出す貴重な機会となります。信頼関係や安心感が育まれることで、職場環境に対する満足度が高まり、結果的に離職の抑制につながります。

従業員エンゲージメントが向上する

従業員エンゲージメントとは、自社のビジョン・戦略に共感し、その実現に向けて熱意を持って自発的に貢献しようとする社員の意欲のことです。職場内のコミュニケーションが活発になることで、上司や同僚との協力関係が深まり、組織全体への理解も進みます。その結果、従業員エンゲージメントが高まり、離職のリスクが軽減されると期待できます。

エンゲージメントの高い従業員は、自発的に業務改善に取組んだり、チームの成果に貢献したりするなど、企業にとって貴重な存在となります。また、オープンな対話が日常化することにより、心理的安全性の高い職場文化が形成され、従業員の定着率も向上します。

目標を持って成長できる

もし目標が不明確であったり、期待される役割があいまいだったりすると、評価への納得感が得られず、モチベーションの低下につながってしまいます。このため、従業員が自身のキャリアの方向性を明確に持ち、それを上司と共有しながら進めていくことが、離職防止につながります。

そこで有効なのが、定期的な目標設定ミーティングやフィードバックの実施です。これらの場を通じて、上司と部下が目標に対する認識をすり合わせることで、従業員は自身の成長実感を得やすくなります。キャリア形成の支援が行われることで、将来への不安が解消され、企業への信頼感も高まります。

離職防止に有効なコミュニケーション方法

離職防止に有効なコミュニケーション方法として、次の3つが有効です。

心理的安全性を高める「雑談」

職場における「雑談」は、一見すると業務に関係のない非効率な行為に思われがちですが、実は非常に重要な役割を果たしています。雑談によって、従業員同士や上司と部下の間に信頼関係が生まれ、心理的安全性が高まるためです。なお、心理的安全性とは、発言や行動に対する否定や批判を恐れず、自分の意見や気持ちを安心して表現できる状態をさします。心理的安全性が整っている職場では、従業員が抱える不安や悩みを早期に察知でき、問題が大きくなる前に対応できる可能性が高まります。

雑談を促進するには、社員同士が気軽に会話できる、リモートワークにおける「バーチャル雑談タイム」の導入や、オフィス内にリラックススペースを設けるなどの工夫が効果的です。

 

本音を引き出す「1on1」

1on1ミーティングとは、上司と部下が定期的に1対1で行う面談形式のコミュニケーション手法のことです。1on1ミーティングの場では、業務の進捗だけでなく、キャリアの悩みや職場での人間関係など、従業員が抱えるさまざまな本音を引き出すことが可能です。ポイントは「話す場」を提供するだけでなく、上司が「聴く姿勢」を持つことです。部下の話を否定せず、まずは共感を示しながら受け止めることが信頼関係を築く上で不可欠です。また、1on1は人事評価の場ではないことを明確に伝えることで、安心して話せる環境をつくり出せます。

このようなコミュニケーションの場を習慣化することにより、早期に不満や課題に気づき、離職リスクの抑制につなげることができます。

成長を支援する「フィードバック」

従業員が「成長している」と実感できる職場は、定着率が高くなる傾向があります。その鍵を握るのが、適切な「フィードバック」です。フィードバックとは、業務に対する具体的な評価や改善点、そして今後への期待を伝えるコミュニケーションのことです。フィードバックは、「行動」に対して具体的かつタイムリーに行う必要があります。また、ネガティブな内容ばかりではなく、ポジティブな点も積極的に伝えることで、従業員のモチベーション向上にもつながります。

さらに、フィードバックを単なる評価の一環としてではなく、「対話の機会」として捉えることで、上司と部下の関係性はより強固なものになります。フィードバックを通じて、「自分は会社に必要とされている」と感じることが、離職の抑止につながるでしょう。

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離職防止につながるコミュニケーションの工夫・アイデア

最後に、コミュニケーションの工夫・アイデアを7点ご紹介します。

メンター制度の実施

メンター制度とは、年齢や役職の異なる先輩社員が後輩社員をサポートする仕組みのことです。メンター制度によって、業務の相談に限らず、職場での人間関係やキャリア形成に関する悩みも気軽に話せる環境をつくることができます。新人社員の不安を早期に解消し、離職リスクを軽減する上で有効な手法です。

1on1ミーティングの実施

本音を引き出す「1on1」」でもお伝えしたように、定期的な1on1ミーティングは、上司と部下の信頼関係を築く重要な機会となります。日頃の業務だけでなく、将来のキャリアや現在の悩みに関する対話を重ねることで、本音を引き出しやすくなります。早期に課題を把握できるため、離職予防にもつながります。

フリーアドレスの導入

フリーアドレスとは、社員ごとに決まった自分の席を持たず、出社のたびに空いている好きな席を選んで仕事をするスタイルのことです。フリーアドレス制を導入することで、部署を超えたコミュニケーションが活発になります。普段は接点の少ない社員同士が会話を交わす機会が増え、社内の一体感や帰属意識が向上します。これにより、職場への満足度が高まり、定着率の向上が期待できます。

休憩スペースや食堂の設置

オープンな休憩スペースや、カジュアルに利用できる社員食堂は、自然な交流を促す場となります。仕事の合間のリラックスタイムに、部署や役職を越えた会話が生まれることで、職場全体の雰囲気が和らぎ、心理的安全性の向上につながる効果が期待できます。

社内イベントの開催

季節行事やスポーツ大会、懇親会などの社内イベントは、業務外での交流を促進します。こうした場で築かれた関係性が、職場での信頼や協力につながり、組織の結束力を高めると考えられます。特にオンボーディング期の新入社員にとっては、早期定着の助けとなるでしょう。

コミュニケーションツールの活用

社内SNSを活用することで、業務連絡にとどまらず、部門や役職の垣根を超えて「心理的な距離」を縮めることが可能になります。たとえば、社員の貢献や小さな成功に対し、スタンプやコメントで称賛し合うことで自己有用感を高めることができたり、業務外の趣味などのコミュニティを設けて業務外での共通点を見つけやすくしたりすることで、コミュニケーションを活性化することができます。また、非対面でのコミュニケーションも補完できるため、リモートワーク環境下でも有効です。

コミュニケーション研修の実施

管理職やメンバーを対象としたコミュニケーション研修を実施することで、聴く力・伝える力を体系的に習得できます。特に、フィードバックの方法や1on1の進め方などを学ぶことで、現場での対話の質が大きく向上し、離職防止につながるでしょう。

まとめ

良好なコミュニケーションは、人間関係の質を高め、従業員エンゲージメントを向上させるだけでなく、個々の成長を支援する仕組みにもつながります。心理的安全性の確保、1on1ミーティングの実施、適切なフィードバックの提供など、多角的な手法を組み合わせることで、従業員が安心して働ける職場環境が整備されます。

さらに、メンター制度の導入や社内イベントの開催、コミュニケーションツールや研修の活用といった実践的な施策を取入れることで、組織全体の対話文化が醸成され、離職の抑制に貢献することでしょう。こうした取組みを効果的に運用するためには、NTT ExCパートナーが提供する「GrowNavi Reflect(グロウナビ・リフレクト)」のような、対話型AIの活用も有効です。

「GrowNavi Reflect」はAIとの対話を通じて、従業員の内省を支援し、自律的成長をサポートする人材育成プラットフォームです。対話データはダッシュボードとして可視化され、離職防止の施策の効果検証にも活用可能です。GrowNavi Reflectについて詳しくは、下記ページをご覧ください。

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