VR(HMD)一括制御システム
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短期間でのレンタル利用も可能、集中制御でVRの一括再生が可能です。
2020年初頭から世界を襲ったパンデミックは、観光産業に大打撃をもたらしました。コロナ禍もようやく収束を迎え、2023年9月には訪日外国人旅行者数が約218万人を超え、コロナ禍前の2019年9月の96%まで回復する(観光庁調べ)など、インバウンド需要は回復傾向にあります。観光客の拡大や周遊促進など地域活性化を推進するための創意工夫も求められており、「旅前」「旅中」「旅後」と、観光客体験を時間軸に分け、各フェーズを連携・融合させる取組が注目されています。本コラムでは、観光客誘致の取組として京都府宮津市様とNTT ExCパートナーがタッグを組み、観光客の引き寄せで要となる「旅前」にフォーカスした取組事例をご紹介します。
観光客の拡大や周遊促進など地域活性化を推進するうえでの重要な視点として、実際に訪れる観光客の目線で旅を3つの場面に分ける「旅前」「旅中」「旅後」という考え方があります。
まず、「旅前」はWebサイトを通じた情報発信や展示会への出展など、観光プロモーションや旅行計画を立てるために必要な情報を発信するフェーズです。観光地の認知だけでなく、観光地をより楽しんでもらい、多くのスポットに訪れてもらうための情報発信など、幅広い観点が求められます。
次に「旅中」は実際の旅行期間を指し、観光地を訪れる体験の質を高める取組が大切です。例えば、観光地をより楽しむための働きかけとして、現地での観光案内の工夫や、購買意欲をそそるお土産の充実などが必要になります。
そして「旅後」は、観光客自身が現地での体験を発信したくなるような工夫です。例えば、SNSで発信したくなるコンテンツの準備なども、ここに当てはまります。旅への余韻に浸りながら、つい人に自慢したくなるような体験設計が重要です。
こうした3つの工夫を行ううえでは、観光客の体験(EX)を時間軸で捉えると同時に、それぞれのフェーズ間を連携・融合させ、シームレスに観光客を魅了する取組として展開することが大事です。今回は、これらの中でも「この観光地に行ってみたい」という気持ちを喚起する「旅前」に着目してみましょう。
「旅前」の期間は、「プレ旅前」と「旅前」の2つに分けられます。「プレ旅前」は、どの観光地に行くかを考えるタイミング。訪日観光客であれば、どの国のどのエリアに行くかを検討する期間です。行き先を決定すると「旅前」期に移行します。このフェーズでは、どんな観光スケジュールを組むか、どの観光スポットを巡るか…などを具体的に考えていきます。
したがって、観光客を誘致するにはまず“旅行先の選択肢に入る”必要があり、そのためにも積極的な情報発信が必要となります。
では、訪れる観光地として選ばれた後で必要になるのはどんな情報でしょうか?
この段階では「その観光地では何を楽しめるのか?」を伝えたうえで、どのように楽しめばよいかをアピールする情報発信が重要になってきます。
例えば、観光地が持つ魅力を臨場感を持って伝えられれば、観光客自身が楽しんでいるイメージを持ち、期待感を醸成する効果が期待できます。あるいは、メジャーな観光地の情報だけではなく、そこに集う観光客を周辺の観光スポットに誘引・回遊させるなど、地域を面で活用する取組も大切でしょう。
このように、「旅前」段階に力を入れて、情報発信をし、観光客を誘致する取組を、京都府宮津市様とNTT ExCパートナーがタッグを組んで実施しました。インパクトのある映像によるプロモーション、そして現地での観光イメージを広げるためVR技術を活かした新しい「旅前」観光プロモーションの事例をご紹介します。
事例紹介:京都府宮津市様
天橋立が観光スポットとして有名な京都府宮津市。コロナ禍により落ち込んだ観光需要の喚起を起こすプロモーションの一環として、ドローンによる天橋立などの観光名所、伝統産業である丹後ちりめんの生産風景などの360度VR映像や、地元グルメ「ぶりしゃぶ」などが集まった180度映像を制作しました。
ICT活用による地域の魅力発信として、NTT ExCパートナーが提供するVR制御システムによる視聴イベント、YouTubeでの映像公開などを行っていきました。
コロナ禍による全国的な観光需要の低下や受け入れ制限により、宮津市では地域経済が危機的な状況にまで落ち込みました。そのため、アフターコロナを見据えた観光プロモーションが大きな焦点になり、観光資源を活かしたプロモーションとして、VR活用を決めたそうです。
天橋立を中心とした景色映像では、ドローンを活用した4K映像によって浮遊感を味わえるように趣向を凝らしました。宮津市在住者でも見ることのできない角度から景色を堪能でき、新たな魅力の発信を行っています。
グルメ映像では、できる限り多くの地元グルメを集め、視覚的にも料理を楽しめるように工夫しました。また、女将役を務めたモデルには宮津弁を指導し、より観光気分を味わえるようにしています。
伝統産業であるちりめん工場の映像では、普段は近づけない距離での機械や設備を撮影。臨場感を出すことで興味喚起を促しています。また、狭い場所でも撮影できるVRならではのポイントを活かした視覚体験も実現しました。
企画、撮影、編集をNTT ExCパートナーが手掛けており、すべての工程において宮津市観光課からの要望を丁寧にヒアリング。宮津市観光課の全面バックアップのもと、これまでのVR映像制作のノウハウを活かし、短期間での撮影に成功しました。
編集においても、ドローンの消し込みを行って視聴者の没入感を高める工夫をするなど、こちらもこれまでの360度映像制作の経験を活かしています。
本事例は、VR映像制作の実績が豊富なNTT ExCパートナーならではの技術と知見を活かした事例です。今回の事例のように臨場感のある映像を活かすことで、旅行先の検討時期に、その地域で何が体験できるか臨場感と共に知ることができ、選択肢として他の地域よりも魅力を感じやすくなるはずです。このように、旅前期の観光プロモーションにおけるVR活用の可能性は高まってきています。
観光プロモーションを始めとして、NTT ExCパートナーではVR技術を活用した様々なソリューションを提供しています。ご興味のある方は、以下のページをご覧ください。
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