株式会社NTTドコモ

NTTドコモがリベラルアーツ研修で実現した「3つの壁」を越える人材育成とは

  • IT・情報通信
  • 1,001人~
  • 社内トレーニング
  • 学習支援
株式会社NTTドコモ

業界・業種IT・情報通信

従業員1001人~

日本を代表する総合通信キャリアとして、高品質で経済的なネットワークサービスを提供する通信事業を展開。会員基盤やデータ活用を強みに、新たな生活価値創出をめざすスマートライフ事業にも取り組んでいる。

株式会社NTTドコモさまでは、社員一人ひとりが多様な視点を持ち、創造的に課題解決へ取組むための素地として「リベラルアーツ研修」を推進しています。

本記事では、同社がこの研修を通じてめざす人材像や、導入によって見られた具体的な成果、さらに企業におけるリベラルアーツ教育の意義について解説します。

本事例のポイント

変革期の組織に求められる多角的視点と柔軟な思考力の醸成


NTTドコモさまでは、グループ統合を背景に、多様な価値観や文化を持つ人材が共に価値創出を行う環境へと変化しています。そこで従来の専門性だけでは対応が難しい課題に向き合うため、正解のない問いに対して自ら考え抜く力を養うリベラルアーツ研修を導入しました。

専門・組織・価値観の壁を越える「知の越境」と対話による学習効果


本プログラムでは、哲学・歴史・社会など多様なテーマをもとに対話を重ねることで、受講者が自身の専門領域を越えて思考を広げる機会を提供。異なるバックグラウンドを持つ者同士の議論を通じて、「知の越境」が促進、組織や立場を越えたつながりと新たな視点の獲得につながっています。

行動変容を促し成果につながる人材育成の実証


受講者には、不確実な状況への柔軟な対応力や批判的思考、周囲へ働きかける力の向上といった変化が見られました。NTTドコモさまでは今後もリベラルアーツを通じて、多様性や挑戦を重んじる企業文化を醸成、人材の知的好奇心や探求力を引き出す教育施策に取り組まれるとのことです。

  • 本記事は、株式会社ドコモgaccoにて2025年9月25日に開催されました「gaccoビジネスセミナー ドコモの管理職育成事例 “知の越境で3つの壁を壊す”」をもとに書き起こしたものとなります。本記事にて紹介している「リベラルアーツ思考プログラム」は現在は弊社にてお取扱いしています。

研修サービスの導入背景
※当日ウェビナースライドより抜粋

NTTドコモさまでは、人的資本経営の推進を掲げ、社員一人ひとりの成長を「事業成長・社会価値創出」につなげるというサステナブルグロースサイクルを重視しています。

特に2023から2024年度にかけて、NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ※1・NTTコムウェア※2の3社が統合し、文化や価値観の異なる多様な人材が一体となり、新しい価値を創出することが求められる中で、「挑戦」「多様性」「エンゲージメント」をどう育むかが大きなテーマとなっていました。

※当日ウェビナースライドより抜粋

そこで導入されたのが「リベラルアーツ研修」です。NTTドコモがあえてリベラルアーツを選んだ背景には、急激な環境変化の中で、正解のない問いに向き合い、自ら考え抜く力を養う必要性がありました。

業務知識や専門スキルに偏ることなく、哲学・歴史・社会・自然科学といった多様な知の体系に触れることで、「多角的な視点と「思考の柔軟性」を育て、変革期のリーダーに求められる「人間力」を磨く狙いがあります。

  • ※1

    現 NTTドコモビジネス株式会社

  • ※2

    現 NTTドコモソリューションズ株式会社

導入前に抱いていた課題感

※当日ウェビナースライドより抜粋

管理職層の多くが、長年同じ分野・専門領域で経験を積み、他部署や異分野の視点に触れる機会が少なく、結果として「専門性の壁」に直面していました。

マネージャー昇進後に「正解のない問い」に向き合う機会が増えた際、従来の実務中心の思考では対応が難しいという「価値観の壁」も浮き彫りになりました。加えて、グループ再編による「組織文化の違いの壁」により、相互理解や連携が進みにくい状況もありました。

「これまで管理職の方々は、担当者やリーダーとして、目の前の仕事に全力で取り組んできました。でも、いざ“新しいことを生み出そう”“組織でシナジーを作ろう”となると、どう動けばいいか迷ってしまうんです。

部署が変わったり、専門分野が変わったりすると戸惑うことも多くて。視野が狭くなりがちなところを広げるために、今回管理職を対象にしました。」(宮下氏)

また、こうした「専門性」「価値観」「組織」という3つの壁を越えるために、バックグラウンドの異なる人材がディスカッションを通じて視点を広げる機会が必要とされました。

プログラムを通して得られた成果

※当日ウェビナースライドより抜粋

リベラルアーツ研修の実施後、特に、変化が顕著に見られたのは以下の3点です。

  • 曖昧さへの態度 - 不確実な状況や多様な価値観に対して柔軟に向き合う姿勢が強化された。

  • 周囲への影響力 -   自らの行動によって周囲を動かし、変化を生み出す力が高まった。

  • 批判的思考 -  物事を多角的に捉え、前提を問い直す思考態度が浸透した。

「参加者の方々は、社内で毎年360度評価を受けていますが、すぐには変化が見えなくても、2年後、3年後に少しずつスコアが上がってくるんですね。アンケート結果にも反映されていますし、360度評価でも数字として表れているので、本当にやってよかったと感じています。」(宮下氏)

これらの要素が数値的にもアンケート結果や360度評価の中で確認されており、研修が中長期的に社員の行動変容と組織文化の深化に寄与していることが明らかになっています。

受講生の方の感想

※当日ウェビナースライドより抜粋

受講者からは「自分の専門外のテーマで議論することで、思考の幅が広がった」「歴史のケースに自分を重ねて考えることで、意思決定力が鍛えられた」といった声が多く寄せられました。

また「業務外のテーマだからこそ、立場や部署を越えて率直に意見交換ができた」という感想も多く、社内外の垣根を越えた“知の越境”の価値を実感する参加者が増加しました。

結果として、日常業務でも新たな視点で課題を捉える力や、他部門との対話をリードする意識変化が見られるようになりました。

「このプログラムはドコモで月1回、10ヶ月近く実施していて、結構濃い内容でした。その分、参加者の行動や第三者から見た変化としてしっかり表れていて、一定の効果はあったのかなと思います。私としても、振り返りとしてすごく良い成果になっているなと感じています。」(宮下氏)

こうした取組みは、短期的な業務改善にとどまらず、中長期的な組織の成長や新たな価値創出にもつながります。今後もNTTドコモさまは、多様性や挑戦を重んじる企業文化を醸成しつつ、人材の知的好奇心や探求力を引き出す教育施策を進化させていくとのことです。

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