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NTT ExCパートナーは「探究学習」を通じて、企業と教育現場を繋ぎ、新たな価値創造を支援いたします。企業の認知拡大や人材採用、エンゲージメント向上、新たな視点でのイノベーション促進に貢献します。

近年は企業活動の一環として取組む「教育CSR」への注目が高まっています。教育CSRで子どもや学生の学びを支援する活動には、社会貢献の意義があるだけでなく、事業にもよい効果がもたらされます。次世代を担う若者のために、教育CSRの施策を検討してはいかがでしょうか。
この記事では、教育CSRに関する基礎知識や、企業が取組むメリット・デメリット、主な手法や成功事例などを解説します。また、企業の社会貢献活動を支援するソリューションもご紹介するため、CSRや企業ブランディングを担当している方はぜひ参考にしてみてください。
はじめに、教育CSRに関する基礎知識を解説します。近年のビジネスシーンでなぜ教育CSRが重視されているのか、改めて背景を確認してみましょう。
「教育CSR」とは、企業が子どもや学生に対する社会的責任を果たすため、教育分野に貢献する活動のことです。対象となるのは小学生・中学生・高校生などで、主に教育現場である学校で実施されます。なお、CSRとは「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」の略称であり、教育CSRとはその中でも教育分野への貢献をさします。
文部科学省は、予測困難な時代における学校教育では、従来の教育課程の役割を捉え直し、学校が社会や地域とのつながりを意識することが重要だとしています。また、学習指導要領は「社会に開かれた教育課程」の実現に貢献する必要があると述べられています。こうした背景から、教育CSRによる企業の学校教育への参加が求められている状況です。また、教育CSRの取組みはSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」に対応し、グローバルな観点でも重視されています。SDGsの目標を達成するには、各国の政府だけでなく、企業による協力も欠かせません。
【参考】
「教育課程企画特別部会 論点整理 1.2030年の社会と子供たちの未来」(文部科学省)
企業が教育CSRに取組むと、事業にどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。ここでは教育CSRの主なメリットをご紹介します。
教育CSRの施策で子どもたちやその家族に価値を提供すると、自社製品・サービスの魅力が自然と伝わりやすくなります。社会的な意義が高く、かつ事業と相性のよい施策を展開すれば、「この企業を応援したい」と感じてもらえるかもしれません。結果として、新たな顧客の獲得や、ファンやリピーターの増加につながる場合があります。
教育CSRの手法の中には、出前授業や職場体験のように子どもたちと直接コミュニケーションをとるものもあります。自社の顧客と接触することで、顧客ニーズの把握に役立てられます。特に、若い世代との交流は社員にとっても貴重な機会となり、新商品・サービスのアイデア創出のきっかけとなる可能性も考えられるでしょう。
企業がCSR活動へ積極的に取組むことで、ステークホルダーからのイメージ向上や、ブランド価値向上につながります。特に、教育CSRはSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」と関連性がある点でも、社会貢献の意義があると評価されやすい傾向にあります。教育分野への貢献によって、自社の信頼性を高めることが可能です。
教育CSRの施策によってキャリア教育を支援すると、中長期的には成長した子どもたちが自社の採用母集団となる可能性があります。年々採用競争が激化する中で、優秀な人材の獲得につなげることができます。また、教育CSRの施策が現在の就活生の目に留まれば、信頼できる就職先として高い評価を得やすくなるでしょう。
教育CSRの取組みは、社員の満足度に対してもポジティブな影響をもたらすと考えられています。社員は子どもの教育に貢献することを通じて、自社製品・サービスの価値を改めて確認し、仕事に誇りを感じられるようになるでしょう。これにより、従業員満足度の向上や、モチベーションアップなどの効果が期待できます。
近年は社会的にESG投資(=環境・社会・ガバナンスといった非財務情報にもとづいた投資)が推進されている背景から、教育CSRへの取り組みは投資家へのアピールにつながります。教育CSRへ積極的に取組むことで、自社の社会への貢献度が高く評価されれば、結果として投資につながる可能性が考えられるでしょう。
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NTT ExCパートナーは「探究学習」を通じて、企業と教育現場を繋ぎ、新たな価値創造を支援いたします。企業の認知拡大や人材採用、エンゲージメント向上、新たな視点でのイノベーション促進に貢献します。
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【CSR・広報担当必見!】新しいCSR活動の形:次世代人材と企業を繋ぐ取り組みとは?
CSR活動と探究学習を融合させることで、企業が得られるメリットを詳しく解説します。
教育CSRに取組む際は、コストや人的リソースの面で負担が懸念されます。また、教育現場との調整が必要な点も理解しておきましょう。
教育CSRの施策では、教材費や社員の人件費をはじめとした一定の費用負担が生じます。また、一般的に教育CSRの施策は直接的な利益の獲得につながりにくい点にも留意しておきましょう。継続的な社会貢献活動を行うためにも、まずは十分な資金を確保し予算を組む必要があります。
教育CSRを実施するためには、企画・教材制作・講演などを担当する人員を配置しなければなりません。継続的な支援に向けて、人的リソースを確保する必要があります。なお、社内の人的リソースが不足している場合は、外部の支援サービスを活用するのも一つの手です。
教育CSRはあくまでも教育現場への貢献が主な目的であるため、企業は教育現場で求められる学習を提供することが重要です。事前に教育現場へのヒアリングを実施したり、企業側が教育領域の知見を高めるなどして、両者にメリットをもたらす施策を検討する必要があります。
教育CSRの施策では、主に以下のような手法が用いられます。自社の事業に適した手法を選択するために、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
出前授業(出張授業)とは、企業の社員が講師として学校へ出向いて特別授業を行う施策です。一般的に、企業の事業内容に関連するテーマや、社会で働くことについてのテーマを扱います。子どもたちは学校にいながら社会や仕事について広く学ぶ機会を得たり、学校の学習と社会のつながりを実感したりできます。一方、企業側は子どもたちに自社の製品や事業を知ってもらうことでPRにつながるほか、社員がその場で子どもたちの反応を見て、自社に対する印象を客観的に見直すことが可能です。
教材の提供・サンプリングの施策では、企業が学習用教材や商品サンプルを学校へ無償で提供します。子どもたちは企業が配布した小冊子やボードゲームなどの教材を使って、楽しみながら学びを深めることが可能です。また、サンプリングの場合は商品サンプルを使った課題の解決方法を学べます。企業側は教材を通じて子どもたちに自社のメッセージを伝えることができます。その際、授業で使った教材を子どもたちが家庭に持ち帰ることで、家族にアプローチできる可能性があるのもポイントです。
職場見学・工場見学の施策では、企業が職場や工場に子どもたちを招待して、仕事の現場を見学してもらいます。主に、小学校の児童を対象に実施されることが一般的です。子どもたちは、普段は見ることができない現場に足を踏み入れることで社会に関心を持ち、職業観を育んだり働く意義を実感したりできます。企業側は、製品の製造工程を見てもらうことで安全性や品質をアピールでき、地域や消費者からの信頼の向上が期待できます。
職場体験・インターンシップの施策では、企業が子どもたちに職場で働く体験を提供します。前述した職場見学・工場見学からステップアップした体験活動で、主に中学校・高等学校の生徒を対象に実施されます。生徒は体験を通じて仕事の楽しさや難しさを実感したり、社会人に必要な基本のスキルを身につけることが可能です。一方、企業側は多くの学生に自社を認知してもらうことで、採用広報におけるメリットを得ることができます。
企業が社会貢献を目的として奨学金制度を設立する施策です。経済的な支援を必要とする学生に対して、給付型・貸与型の奨学金で直接的なサポートを行う、社会的なインパクトの大きな施策となっています。学業への意欲の高い学生は、自身の経済状況にかかわらず進学の選択肢を得ることができます。制度を運営する企業は、自社のイメージ向上の効果が期待できるでしょう。ただし、奨学金制度を長期的かつ安定的に運営するためには一定の資金や適切な制度設計が必要です。
子どもが応募できるコンテストを開催する施策です。近年は、高等学校の必修科目である「探究学習」に関連するコンテストを開催する企業が多くなっています。探究学習は、生徒が自ら課題を見つけて、深く掘り下げて探究することが特徴です。コンテストに参加した生徒は、研究分野の専門家からアドバイスを受けて理解を深めたり、意欲ある生徒同士の交流で切磋琢磨することができます。企業は生徒に表彰の場を提供するとともに、PRの効果を感じることができるでしょう。
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【CSR・広報担当必見!】新しいCSR活動の形:次世代人材と企業を繋ぐ取り組みとは?
CSR活動と探究学習を融合させることで、企業が得られるメリットを詳しく解説します。
ここでは、さまざまな業界における教育CSRの成功事例をご紹介します。他社の社会貢献活動の事例を参考に、自社ではどんな活動が実現できるか検討してみましょう。
ある警備会社では、社会で発生する犯罪や災害などの危険から子どもを守るために、防犯・災害・救急救命などのテーマで出前授業を実施するCSR活動を実施しています。授業内容の例は、「登下校中の犯罪や交通事故を回避する方法」「留守番中の安全を守る方法」「119番通報の方法」などです。子どもを取り巻く環境の変化に合わせて、最新の安全情報を盛り込んだ授業が行われています。
ある教材メーカーでは、近隣の学校との連携による職業体験や、学校への教育サポートの提供、教材の無料貸し出しをはじめとしたCSR活動を実施しています。特に、近年はICT教育の普及にともない、出前授業で電子機器やソフトウェアの使用方法を指導するICT支援に力が入れられています。外部企業の支援により、子どもたちは授業を受けるために必要なICTの基礎知識を身につけることが可能です。
あるコンサルティング会社では、社会における人材の課題にフォーカスした、人材育成に貢献するCSR活動を実施しています。なかでも教育の領域で実施されているのは、学校への経営シミュレーション教材の提供や、学校設立の支援などです。コンサルティング事業で培われたブランディングやクリエイティブの技術を生かしながら、将来の社会で活躍する人材の育成支援に貢献しています。
ある建設会社では、子どもたちにものづくりの魅力を伝えることで社会教育を推進するCSR活動を実施しています。たとえば、自然と触れ合う機会を創出する野外活動のプログラムや、木材を使ってものづくりに挑戦する木工教室のプログラムなどを提供しています。参加した子どもは、木育を通じて建設の仕事やものづくりの魅力を実感することが可能です。
ある住宅会社では、次世代を担う子どものために、住まいに関する環境教育を提供するCSR活動を実施しています。学校や環境イベントなどでワークショップを実施し、子どもたちに持続可能な未来の住まいについて考える機会を与える取組みです。子どもたちは「環境に配慮しながら快適に暮らせる家」を実現する技術を学び、遊びを通じて環境問題と向き合うことができます。
ある飲料メーカーでは、資源リサイクルを推進する啓発授業などのCSR活動を実施しています。使用済みペットボトルのリサイクルでは、企業と消費者の双方が適切な分別収集へ向けて取組まなければなりません。子どもたちは授業を通じて、資源循環型社会の実現に必要な知識を身につけるとともに、社会課題について考える機会を得ることができます。
ある玩具メーカーでは、おもちゃを活用した学校での出前授業をはじめとしたCSR活動を実施しています。子どもたちは企業が提供するゲームやアプリで遊びながら、社会課題について考えたり、憧れの仕事を疑似体験したりすることが可能です。子どもの身近にあるおもちゃを教材とすることで、幅広い領域の教育支援が実施されています。
あるアパレルメーカーでは、子どもの教育や社会進出を支援するために、職場体験や参加型プロジェクトなどのCSR活動を実施しています。店舗業務を体感する職場体験では、仕事の責任や働きがいを学ぶことが可能です。また、参加型プロジェクトでは、衣料品を回収して世界で必要とする人々に届けるボランティア活動に取組むことで、子どもたちが国際問題に貢献する機会を提供しています。
ある保険会社では、子どもの交通安全意識の向上と交通事故防止を目的として、大手企業が連携して「黄色いワッペン贈呈事業」のCSR活動を実施しています。企業から全国の新小学一年生に提供される注意喚起のワッペンは、交通事故傷害保険付きです。ワッペンの贈呈式では交通安全教室が実施され、次世代を担う子どもたちの安全に貢献しています。
ここまで、教育CSRに関する基礎知識や、企業が取組むメリット・デメリット、主な手法や成功事例などをご紹介しました。近年は教育CSRの重要性がますます高まっています。その一方で、新たに教育CSRの施策をはじめるにあたり、社内の人的リソースなどの問題から参入にハードルを感じている企業さまは少なくありません。そんなときは、外部サービスの支援を受けて教育CSRを実施するのも一つの手です。
教育ビジネスに30年以上かかわってきたNTT ExCパートナーでは、教育CSRに取組む企業さまを支援する「探究学習サービス」を提供しています。
「探究学習サービス」は、高等学校の必修科目である「探究学習」の分野へ参入する企業さまをトータルでサポートするソリューションです。企業のオリジナル教材の企画・制作に始まり、プラットフォームを介した教材提供、授業実施後の結果レポートまで伴走いたします。企業さまが取組む社会課題を効果的に教材化して、学生の実践的な学びを実現することが可能です。
また、NTT ExCパートナーでは「CSR・コンプライアンス・内部統制研修」の実施も可能です。CSRへの取組みを強化するにあたり、社員の意識向上のために研修が必要な場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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