組織エンゲージメントとは?業績を高める本質的なエンゲージメントの改善手法を解説

  • 働き方
  • 組織開発
  • 退職防止

「従業員満足度は高いはずなのに、なかなか業績に結びつかない」といった課題を感じたことはありませんか?働きやすさや待遇の良さをさす従業員満足度とは異なり、「組織エンゲージメント」は組織と従業員が互いに貢献し合う関係性を意味します。経営戦略を実行する上での重要な推進力です。 
本記事では、エンゲージメントが高い組織が持つメリットや、低下が招くリスクを解説するとともに、eNPSやサーベイを用いた定量的な現状把握の方法を紹介します。また、現場の声を反映した具体的な改善施策や、施策を形骸化させないための注意点まで、組織力強化に役立つ内容を網羅しました。

  • 遷移先ページ「エンゲージメント向上で  “組織のOS”を強化、人的資本経営の加速化へ。」のサムネ画像

    人的資本経営を加速する
    エンゲージメント向上の実践ステップをご紹介

    • 診断、打ち手、効果測定まで一気通貫で設計
    • 6つの対策領域で組織課題を網羅
    • 経営と現場をつなぎ、実行力を強化

組織エンゲージメントとは?

組織エンゲージメントとは、企業のめざす方向性と従業員個人の目標が重なり合い、双方が貢献し合う関係性をさします。単なる仲の良さや居心地のよさを示すものではなく、経営戦略を実行するための推進力となる概念です。

組織と個人の志向が相互に一致している状態

組織エンゲージメントが高い状態とは、会社が掲げるビジョンや事業戦略に対して、従業員が共感し、自発的に貢献したいと思える状態のことです。経営陣が描く未来の姿と、従業員が実現したいキャリアプランが重なることで、日々の業務に対する高いモチベーションが生まれると考えられています。やらされる仕事ではなく、自ら意義を見出して取組む仕事へと変化するため、結果として高いパフォーマンスが発揮されるでしょう。

従業員満足度とは組織への貢献度が異なる

従業員満足度が居心地の良さや待遇に対する評価を測る指標であるのに対し、組織エンゲージメントは業績への貢献意欲を測る指標です。給与や福利厚生を充実させれば従業員満足度は上がりますが、それがそのまま企業の業績向上につながるとは限りません。働きやすい環境を整えるだけでなく、働きがいを提供し、個人の成長が企業の成長に結びつく仕組みを作りましょう。

組織エンゲージメントを高めるメリット

組織エンゲージメントを高めることは、企業経営に多くのメリットをもたらすとされています。従業員の自発性が高まることで人的資本への投資対効果が高められ、自律的な課題解決力が養われるでしょう。また、部門の垣根を越えたコミュニケーションが活発になり、イノベーションを創出しやすい柔軟で競争力の高い組織風土の醸成に役立つはずです。

メリットの種類具体的な影響期待される成果
人的資本の活用スキルや知識の最大限の発揮投資に対する高いリターン
組織の自律性現場主導での課題発見と解決変化に強い柔軟な組織風土
コミュニケーション部門間の円滑な情報共有イノベーションの創出

メリット1:人的資本への投資対効果を最大化できる

従業員が自発的に業務に取組むようになれば、採用や育成にかけたコストに対するリターンが大きくなると考えられます。教育研修で得た知識を実務で積極的に応用しようとする姿勢が生まれると、個人のスキルが組織の成果へと直接的に影響するようになります。人的資本を単なるコストではなく、価値を生み出す源泉として活用できるようになるでしょう。

メリット2:従業員が自律的に問題を解決できる

上司からの指示を待つのではなく、現場の従業員が自ら課題を発見し、改善に向けて行動する風土が醸成されやすくなります。会社の目標を自分ごととして捉え、想定外のトラブルや市場の変化に対しても柔軟に対応するような意識変化が生まれるのです。経営層はより本質的な戦略立案に注力できる環境が整うでしょう。

メリット3:部門間コミュニケーションが活性化する

組織エンゲージメントが高い組織では、部門の垣根を越えた円滑な情報共有が活発に行われる傾向にあります。共通の目的に向かって協力し合う姿勢が、これまでにない新しいアイデアや相乗効果を生み出す、イノベーション創出へつながっていくのです。風通しのよい環境が整備されることで、組織全体としての柔軟性と競争力が高まるでしょう。

組織エンゲージメントが低下するデメリット

組織エンゲージメントの低下は経営に深刻なダメージを与えかねません。貢献意欲の低下は、企業の競争力を支える優秀な人材の予期せぬ離職、生産性の低下、それに伴い組織風土そのものを悪化させる要因になり得るのです。

リスクの種類具体的な現象経営への悪影響
人材の流出優秀な従業員の予期せぬ退職採用・育成コストの増大とノウハウの流出
生産性の低下業務に対する意欲の喪失チーム全体の業績悪化とミス増加
組織風土の悪化不満の蔓延と連携不足企業ブランドへのダメージ

デメリット1:優秀な人材が流出し離職を引き起こす

会社への貢献意欲が薄れると、より自身の志向に合う環境を求めて人材が離れてしまう傾向にあります。特に、業務遂行能力が高く周囲への影響力が大きいキーパーソンが離職すると、残された従業員のモチベーションも連鎖的に低下する恐れもあります。採用市場が激化する中で、即戦力人材の流出は企業の競争力を大きく削ぐ要因となるでしょう。

デメリット2:意欲が下がり労働生産性が悪化する

目的意識を持たずに業務をこなす従業員が増えると、労働生産性が低下する可能性があります。現状維持に注力してしまい、新しいアイデアの提案や業務改善の取組みが減少する恐れがあるのです。ミスやトラブルの増加にもつながりやすく、対応のための余計な工数が発生することで、さらに生産性を押し下げるという悪循環に陥りかねません。

  • 遷移先ページ「エンゲージメント向上で  “組織のOS”を強化、人的資本経営の加速化へ。」のサムネ画像

    人的資本経営を加速する
    エンゲージメント向上の実践ステップをご紹介

    • 診断、打ち手、効果測定まで一気通貫で設計
    • 6つの対策領域で組織課題を網羅
    • 経営と現場をつなぎ、実行力を強化

デメリット3:組織風土が悪化し企業ブランドにダメージを与える

エンゲージメントが低下すると、社内に不満が蔓延し、部署やチームを越えた連携不足が引き起こされやすくなります。組織の中に閉塞感やギスギスした空気が漂うようになると、その悪影響は社内だけに留まらず、外部の顧客や取引先にも伝わり、最終的には企業ブランドへ深刻なダメージを与える恐れがあります。顧客からの信頼失墜や、将来的な採用力の低下を招く大きなリスクと言えるでしょう。

組織エンゲージメントを測る主要な指標

組織の状態を客観的に把握し対策を講じるために、定量的な指標の活用が求められます。自社への推奨度からロイヤルティを数値化する「eNPS」、中長期的な推移や詳細な課題を可視化する「定期サーベイ」、短期間の変化を迅速に測る「パルスサーベイ」の3つを目的に応じて使いわけ、組織の健全性を効果的にモニタリングしましょう。

指標の種類測定する内容活用のポイント
eNPS職場を親しい人に勧める度合いロイヤルティの総合的な把握
定期サーベイ各種施策に対する納得度や課題部署ごとの強みと弱みの可視化
パルスサーベイ短期間でのモチベーション変化施策実行後の迅速な効果測定

eNPSで自社への推奨度を数値化する

eNPS(Employee Net Promoter Score)は、自社を働きがいのある職場として親しい知人や友人にどれくらい推奨したいかを数値化した指標です。従業員のロイヤルティや帰属意識をシンプルかつ明確に測れるとされています。スコアの増減を定期的にモニタリングすることで、組織全体の健全性をマクロな視点で把握するための有用なバロメーターとなるでしょう。

定期的なサーベイで中長期的な推移を可視化する

半年に一度などの頻度で実施する定期サーベイは、経営理念の浸透度や評価制度への納得感など、より詳細な項目について測定します。部署や役職、年代別のクロス集計を行うことで、組織内のどこに課題が潜んでいるのかを特定しやすくなるとされます。過去のデータと比較して推移を可視化することで、これまで実施してきた人事施策の効果検証にも役立つでしょう。

短期間で実施するパルスサーベイで迅速に状態を測る

パルスサーベイは、短いスパンで簡易的な質問を繰り返す手法です。短期間でのモチベーションの変化や、特定の施策を実行した直後の反応をリアルタイムに近い形で捉えるのに活用されることが多いです。定期サーベイの間隔を埋める測定として活用することで、組織の微細な変化を見逃しにくくし、迅速なフォローアップをサポートする存在になるでしょう。

調査したサーベイ結果を経営に活かす手順

サーベイは実施して終わりではなく、結果をアクションに変えることで意味を持ちます。まずは経営陣の理想と現場の現状とのギャップを客観的に比較し、影響度の大きい部署や課題から優先順位をつけましょう。

実施手順アクション内容注意したいポイント
課題の比較経営計画とサーベイ結果の乖離を確認する数値の良し悪しだけで一喜一憂しない
優先度の決定業績影響が大きい部署や深刻な課題を特定する現場の負担を考慮して対象を絞る
真因の特定現場マネージャーや従業員と対話する心理的安全性を確保してヒアリングする

ステップ1:経営課題と現状の乖離を比較する

まずは、経営陣が描いている理想の組織状態と、サーベイから見えてきた現場の現状とのギャップを確認します。全社的な重点目標に対して、現場の理解や共感がどの程度追いついているかを分析しましょう。数値が低い項目であっても、それが現在の経営戦略に直結しないものであれば、対処の優先順位を下げる判断も大切です。

ステップ2:優先的に改善したい部署を特定する

すべての課題を一度に解決することは難しいため、対応の優先順位を決定するのがおすすめです。特定の部署でスコアの著しい低下が見られる場合や、全社的に影響を及ぼす共通のボトルネックが存在する場合は、そこを重点的に改善対象としましょう。限られた経営資源をどこに投下すれば最も効果が得られるのか、データにもとづく論理的な判断が求められます。

ステップ3:現場との対話を通じて真因を特定する

サーベイの数値はあくまで表面的な事象とも言えます。スコアが低下した本当の理由を探るためには、対象となる部署のマネージャーやメンバーと直接対話を行う必要があります。アンケートには書ききれなかった現場のリアルな声や感情を拾い上げることで、はじめて本質的な改善アクションを設計できるのです。

組織エンゲージメントを改善する具体策

課題の真因が見えたら、自社の実情に即した改善策を実行しましょう。1on1ミーティングを活用して会社と個人の方向性をすり合わせるほか、経営戦略と連動した評価基準を設け、従業員の納得感を引き出すのがおすすめです。同時に、失敗を恐れずに意見やアイデアを発信できる心理的安全性の高い組織風土を育てることが重要です。

改善のアプローチ具体的な施策例期待できる効果
個人の目標同期定期的な1on1ミーティングの実施会社と個人の方向性のすり合わせ
評価の納得感経営戦略と連動した評価基準の公開成果に対する公平なフィードバック
文化の醸成挑戦を称賛する表彰制度の導入失敗を恐れない心理的安全性の担保

1on1の活用で組織と個人の目標を同期させる

上司と部下が定期的に行う1on1ミーティングは、会社のビジョンと個人のキャリアプランを接続する有効な場となり得ます。業務の進捗確認だけでなく、部下がどのようなやりがいを求めているのかを傾聴し、それにもとづいた業務アサインを検討しましょう。対話を通じて相互理解を深めることで、日々の業務に対する納得感と意欲を高める効果が期待できます。

経営戦略と評価制度を連動させる

従業員の頑張りが正しく報われる仕組みづくりも重要です。経営戦略で重視している行動や成果を、評価基準に明確に組み込みます。何をすれば評価されるのかという基準を透明化して、従業員の目標を明確化しましょう。結果のフィードバックも丁寧に行い、評価への納得感を持ってもらうことが組織エンゲージメント向上につながるはずです。

心理的安全性を確保し発言を促す風土を作る

自分の意見や疑問を気兼ねなく発言できる心理的安全性の高い職場環境の構築が求められます。役職にかかわらずフラットに議論できる場を設けたり、日々の感謝を伝え合うピアボーナス制度を導入したりすることで、組織内の信頼関係を強固なものにしていきましょう。失敗を過度に責めるのではなく、挑戦したプロセスを評価する姿勢が大切です。

組織エンゲージメントの改善における注意点

改善施策の推進にあたっては、現場の理解を得ながら進めるための配慮が求められます。「なぜこの施策をやるのか」という本来の目的を丁寧に共有し、形骸化を防ぐことが第一歩です。また、新たな取組みが現場の業務負担にならないよう既存業務を整理し、すぐに結果が出なくても長期的な視点で焦らず取り組む姿勢が成功の鍵です。

留意点発生しうるリスク対応の考え方
目的の共有施策が「目的」化し形骸化するなぜやるのかを常に原点に戻って語る
現場の負担業務負荷増による不満の蓄積既存業務の整理とセットで行う
成果の測定即効性を求め評価が歪む長期的な取組みとして予算を確保する

施策の目的を明確に共有する

組織エンゲージメント向上の施策を導入する際、従業員に「また新しい業務が増えるのか」とネガティブに捉えられる可能性もゼロではありません。施策そのものが目的ではなく、あくまで従業員の働きがいを高め、結果として組織の成長につなげるための手段であることを丁寧に説明し続けましょう。経営陣の言葉で目的を伝え、なぜ今この施策が必要なのかを理解してもらうことが最初の一歩なのです。

現場の負担を考慮した運用にする

新しい施策を導入する一方で、既存の業務の見直しを行わないと、現場は疲弊してしまいかねません。組織エンゲージメント向上のための対話やサーベイ回答などが負担にならないよう、不要な会議を減らすなど現場が集中できる時間を確保することも併せて行いましょう。現場に余白を作ることで、エンゲージメント改善のための前向きなエネルギーが生まれやすくなります。

短期的な成果を求めすぎない

組織エンゲージメントの向上には時間がかかります。サーベイのスコアがすぐに上がらないといって、短期間で施策を打ち切ってしまうと、組織内の不信感につながる可能性があります。長期的な目線で取組み、従業員の意識や行動が少しずつ変化していくプロセスを忍耐強く支援し続ける姿勢が、結果として高い効果を生むと考えられるのです。

「エンゲージメント向上コンサルティング」で組織エンゲージメントを最大化

人的資本経営を加速させる上で、組織エンゲージメントの向上は欠かせない要素と言えます。しかし、多くの企業がサーベイのスコアに一喜一憂し、具体的な改善活動につなげられずにいるのが実状です。NTT ExCパートナーの「エンゲージメント向上コンサルティング」は、こうした「診断のやりっぱなし」を防ぐ一気通貫の支援を提供します。

単なる数値の集計には留まらず、専門家が「エンゲージメント向上の4視点」×「成功循環モデル」を組み合わせて分析し、データに隠れた課題の真因を特定していきます。その上で、現場で実行できるアクションプランを策定するのが特徴です。

全従業員が同じ方向を向き、主体的に動ける仕組みを整えることで、理想的な組織作りを強力にサポートいたします。診断から変革、そして定着まで一貫して伴走するパートナーとして、貴社の経営基盤をより強固なものへとアップデートしましょう。現状の可視化から具体的な制度改定まで、組織の壁を越えた本質的な変革をともに実現します。

  • 遷移先ページ「エンゲージメント向上で  “組織のOS”を強化、人的資本経営の加速化へ。」のサムネ画像

    人的資本経営を加速する
    エンゲージメント向上の実践ステップをご紹介

    • 診断、打ち手、効果測定まで一気通貫で設計
    • 6つの対策領域で組織課題を網羅
    • 経営と現場をつなぎ、実行力を強化

まとめ

この記事のポイントをまとめます。

  • 組織エンゲージメントは業績向上に直結する重要な経営基盤
  • サーベイ指標は数値の把握に留めず現場との対話に活かすのがおすすめ
  • 組織エンゲージメントの改善には個人の目標同期と納得感のある評価制度が鍵

自社の状況に合わせた本質的な施策を実行し、活力ある組織づくりを進めていきましょう。

ExCの強み

  • NTTグループの技術力を活用した
    先端ソリューション

    • NTTグループの研究開発の実績や技術力を基盤にしたソリューションで、一歩先を行く、科学的アプローチを実現

  • 人事・総務の各領域に精通した
    プロフェッショナルが伴走

    • 30年以上にわたりNTTグループの人事・総務を担ってきたHC領域の専門家が伴走

  • 『人と組織を変える施策の実行』と『振り返りでやりっぱなしを防止』の文字を、双方に向かう矢印でサイクルになっていることを表した図。

    施策効果の振り返りまでを
    実施して改善サイクルを実現

    • ExCパートナーのソリューションでは、実行後の振り返りを行い、次の改善活動に向けた示唆出しまでサポートします。

30年以上のご支援で
培われたノウハウで
800社以上の企業での
導入実績