新入社員の配属先の決め方|ミスマッチを起こさないための方法は?

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多くの企業が若手の早期離職という大きな課題に直面しています。新入社員の離職を防止し、組織への定着を促す上で重要となるのが、配属先の決め方です。決め方が上手くいかないとミスマッチを起こし、配属先とのミスマッチはモチベーションの低下を招くおそれがあるため、人事部門では慎重に配属先を選定する必要があります。

そこでこの記事では、新入社員の配属先の決め方について解説します。ミスマッチを起こさないためのポイントや、人事部門を支援するソリューションもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

新入社員の配属に関する現状

はじめに、新入社員の配属に関する現状を確認してみましょう。ここでは、株式会社リクルート就職みらい研究所が2024年に実施した「【人事担当者対象調査】新入社員の入社後の配属について」の結果を参照しながら、近年の傾向をご紹介します。

調査概要

調査目的新入社員の入社後の配属等に関して把握する
調査方法インターネット調査
調査対象全国の従業員規模100人以上かつ2024年卒の新入社員(正社員)の入社予定数が1人以上の企業に勤める新卒採用に関与している人事部門担当者
調査期間2024年2月16日~2月19日
回答者数812人
資料【人事担当者対象調査】新入社員の入社後の配属について

【引用】「【人事担当者対象調査】新入社員の入社後の配属について」(株式会社リクルート就職みらい研究所)

配属は「入社時以降」が「内定承諾前」より多い傾向にある

まずは、新入社員に配属先を伝えるタイミングについての調査結果をご紹介します。同調査では、新入社員への配属先伝達時期について、「入社時以降」が41.1%、「内定承諾前まで」が34.6%、「内定承諾後~入社前」が24.4%という結果になりました。入社時以降に伝達する企業が約4割を占めており、最も多いことがわかります。ただし、新入社員の立場で考えると、一般的に入社後に希望どおりの配属先で働けないことに不安を感じやすい傾向にあるため注意が必要です。

新入社員の配属について、半数以上の企業が制度を見直す必要性を感じている

続いて、新入社員の配属に関する制度の見直しについての調査結果をご紹介します。同調査では、“「新入社員の配属」について、制度を変えたり、従来のやり方を見直す必要性を感じているか”という質問に対して、「やや感じている」と回答した企業は40.8%、「強く感じている」と回答した企業は11.1%となっています。両者を合計すると51.8%となり、約半数の企業が見直しの必要性を感じているという結果になりました。

新入社員の配属先が重要視される理由

新入社員をどの部署に配置するかによって、配属後の成果やキャリア形成に大きな影響を与えます。ここでは、新入社員の配属先が重要視される理由を解説します。

定着率の向上につながるから

新入社員を適切な部署に配置することで、定着率の向上につながると期待されています。その反対に、本人のスキルや性格が配属先の仕事内容や企業文化とミスマッチの場合は、モチベーションの低下による早期離職が懸念されます。

新入社員のモチベーションを維持しやすいから

新入社員を希望どおりの部署へ配置すると、仕事に対するモチベーションを維持しやすくなります。本人が自ら選んだ配属先で、希望した業務へ意欲的に取り組むことによって、高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。

組織への貢献が期待できるから

新入社員の適性を考慮した適材適所の人員配置によって、個人のスキルを最大限に発揮できる組織を作ることができます。配属の最適化は、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。また、組織への貢献を通じて新入社員が自信をつけることも期待できます。

新入社員のキャリア形成に関わるから

新入社員が配属先で身につけたスキルや経験は、その後のキャリアパスに大きな影響を与えます。配属先の選定には、キャリア開発の基盤となる重要な役割があるので、長期的な視点で慎重に検討する必要があるでしょう。

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新入社員の配属先の決め方

新入社員の配属先は、本人のスキルや適性のほか、キャリアプランも踏まえて決めるのが望ましいでしょう。人員配置の際は以下でご紹介する配属先の決め方を参考にしてみてください。

スキルや適性などから決める

新入社員本人のスキル・適性・性格・価値観などに基づいて配属先を決める方法です。多くの企業では、配属先を決める際にスキルや適性が重視される傾向にあります。配属先を決めるにあたり、あらかじめ「採用選考時の評価」「適性検査の結果」「新入社員研修や面談での評価」といったデータを整理しておくと良いでしょう。

なお、新卒採用で実施されることが多い適性検査は、「能力検査」と「性格検査」に分けられます。能力検査では、対象者の基礎的な学力・思考力・知識量などをチェックします。一方、性格検査では対象者の性格的な特徴をチェックします。これらの複数の観点で業務への適性を判断するとともに、新入社員・人事担当者・配属先の管理者が同席する「配属面談」を実施し、相性を確認することが大切です。

新入社員の希望を聞いてから決める

新入社員の希望に基づいて配属先を決める方法です。内定後などのタイミングで面談を行い、新入社員本人に「希望の配属先や業務」「配属を希望する理由」「将来のキャリアプラン」などをヒアリングした上で配属先を決定します。本人に明確な意思がある場合は、希望の部署へ配属される可能性があります。

その一方で、なかには本人が希望する部署と適性を発揮できる部署が異なっていることもあるでしょう。もしも本人の希望よりも適性を優先させて配属先を決めるのであれば、企業側の判断に納得してもらうための配慮が必要です。新入社員側・企業側の双方が、譲れる条件・譲れない条件を整理し、すり合わせを行うのが望ましいでしょう。

採用計画をもとに決める

企業の採用計画に基づいて配属先を決める方法です。採用計画とは、企業の事業計画や経営方針に基づいた、採用の指針とする計画のことを指します。一般的に採用計画では「配属予定の部署」「採用人数」「求める人材のスキルや資格」などの目標が明確に定められます。求める人材像に合わせて採用活動を行うことで、効率的な人員配置が可能です。

ただし、新卒採用では入社前に希望する配属先が固まっていない学生や、学生時代の専攻とは異なる分野へ就職する学生も少なくありません。求める人材の要件が多すぎると、全ての要件を満たす候補者を集めることが難しく、母集団形成ができなくなるおそれがあります。そのため、採用計画を策定する場合は、求める人材の要件の優先順位づけを行うことが大切です。

新入社員の配属でミスマッチを起こさないよう人事がすべきこと

配属時のミスマッチは、新入社員のモチベーション低下や離職にもつながりかねません。人事部門の担当の方は、ミスマッチを避けるために以下のポイントを確認しておきましょう。

要望(配属希望・理由)のヒアリングを行う

配属のミスマッチを防ぐためには、事前に新入社員の要望をヒアリングすることが重要です。本人の心境や状況を理解することで、適切な配属先を検討しやすくなります。そのためにも、定期的な面談の機会を用意したり、本音で話せる関係性を構築したりすると良いでしょう。また、万が一新入社員の要望とは異なる配属先の場合は、丁寧に理由を説明して本人の納得感を高めることが大切です。

配属先の状況や従業員の意見を聞く

配属先を決める際は、新入社員本人へのヒアリングに加えて、配属先候補となる各部署の担当者にもヒアリングを行いましょう。人事担当者が現場の状況やニーズを把握しておくと、各部署で求められるスキルに応じた人員配置を行いやすくなります。適性に応じた配属を実現することで、新入社員の早期定着やパフォーマンス向上が期待できます。

配属先決定の背景を説明する

配属先が決定したら、社内に周知する前に新入社員への通達を行います。その際は、「適性検査の結果で配属先が決まりました」といったように、配属先決定の背景を説明することがポイントです。特に新入社員の希望とは異なる配属が決まった場合は、本人のモチベーションに大きな影響を与える可能性があります。周囲からの評価や配属先で期待することなど、決定に至った理由を丁寧に説明しましょう。

配属先の上司・先輩によるフォロー体制を構築する

新入社員が配属先での仕事に慣れるまでは、上司や先輩社員によるフォローが不可欠です。「メンター制度」や「OJT制度」のように、新入社員の業務や心理面をサポートする仕組みを構築するのが望ましいといえます。手厚いフォロー体制によって、新入社員が仕事を覚えて自信をつけられるとともに、身近な人に相談することで仕事のストレスを軽減しやすくなります。

ビジネススキルを学ぶ機会を提供する

社会人として働くうえで求められる基礎的な知識を体系的に身につけることで、配属後の業務が円滑に進むことにつながります。特にeラーニングサービスを活用すると、自分のペースで学習し、「ビジネスマナー」「ロジカルシンキング」「チームワーク」「コンプライアンス」といった分野の知識やスキルを習得できます。

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新入社員が配属された後に起こりやすい主な課題

新入社員の配属後は、以下のさまざまな課題が発生する可能性があります。ミスマッチによる離職防止のために、課題に合わせた人事施策に取り組みましょう。

人間関係が上手くいかない

入社して間もない新人は、同僚とのコミュニケーションに悩みを感じやすい傾向にあります。情報伝達や意思疎通が上手くいかず、人間関係に軋轢が生じてしまうことも珍しくありません。職場での円滑なやり取りを実現するために、コミュニケーション研修を実施すると効果的です。

自身の能力について自信を喪失する

配属後の業務を上手く行えず、自身の能力に対して自信を喪失してしまう新入社員もいます。仕事を通じた成長が期待できないと、自己肯定感が下がり、モチベーション低下にもつながりかねません。まずは新入社員研修で業務に必要な知識やスキルを身につけさせて、成長を実感させることが大切です。

仕事内容にやりがいを見出せなくなる

多くの新入社員が「理想の仕事」と「実際の仕事」にギャップを感じています。配属先の仕事内容にやりがいを見出だせず、悩みを抱えてしまうケースが少なくありません。採用選考の段階で現場の上司や先輩社員とすり合わせを行うなど、理想と現実のギャップを埋めるサポートが必要です。

パフォーマンスが低下する

新入社員が本人の適性に合わない部署へ配置された場合、能力を十分に発揮できず、パフォーマンス低下が懸念されます。配属先の決め方など現状の制度を見直すと良いでしょう。また、一人ひとりの従業員の能力を活かせる人員配置を実現するには、タレントマネジメントの施策が有効です。

早期に離職してしまう

「配属の希望が通らなかった」といった理由から、新入社員が強い不満を感じて早期に離職してしまうケースが見られます。早期離職によって採用費用や教育費用の無駄が生じると、企業に多くの損失がもたらされます。タレントマネジメントなどの人事施策により、配属の最適化に取り組みましょう。

タレントマネジメントで新入社員の配属を最適化しましょう!

ここまで、新入社員の配属先の決め方を解説しました。適切な配属先を選定することが、新入社員の定着率やモチベーションに大きな影響を与えます。ミスマッチを起こさないよう、本人や配属部署の育成担当者の意向を丁寧にヒアリングしながら、最適な配属先を検討しましょう。また、配属先を決めた後に、離職やパフォーマンス低下といった問題が発生するケースが少なくありません。タレントマネジメントなどの人事施策によって配属を最適化し、従業員の能力を最大限に引き出し活躍できる環境を整備することが重要です。NTT ExCパートナーでは、新入社員の定着や育成を支援する多彩なソリューションをご用意していますので、お気軽にお問い合わせください。

タレントマネジメントシステム「カオナビ」

カオナビは、戦略的な人材配置を支援するタレントマネジメントシステムです。導入前の戦略的な準備から、導入後の持続可能な活用まで、タレントマネジメントの全過程をワンステップでサポートいたします。高度な可視化機能と分析機能を活用することで、新入社員の能力や適性にマッチしたポジションに配置を行い、組織のパフォーマンスを最大化します。

新入社員研修

NTT ExCパートナーの「新入社員研修」は、学生から社会人へのマインドチェンジを促し、業務で必要な基本的な知識とスキルを身につけさせる研修プログラムです。自分で考えて行動できる自立した人材を育成するために、実習やグループワークを多く取り入れ、新入社員が自ら気づきを得て学べる内容となっています。企業さまの業務内容や課題に合わせて、個別にプログラムを設計いたします。

ビジネスコミュニケーション研修

NTT ExCパートナーの「ビジネスコミュニケーション研修」は、組織の活性化や社内の関係構築に不可欠なコミュニケーションスキルを向上させる研修プログラムです。新入社員の定着をはじめとした企業さまの課題に応じて、柔軟にプログラムを設計いたします。また、研修実施後の振り返りから、次のステップを見据えた分析・改善まで、トータルで手厚くサポートすることで研修の“やりっぱなし”を防ぎます。

エンゲージメントコンサルティング

「エンゲージメントコンサルティング」は、従業員エンゲージメント向上のために伴走するコンサルティングサービスです。新入社員のエンゲージメントを高め、企業文化の構築やビジョンの実現をめざすために、経験豊富なコンサルタントが支援いたします。エンゲージメント向上のベストプラクティスや最新のトレンドに精通したコンサルタントと、独自のエンゲージメントサーベイによって、人事施策を成功へ導きます。

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